【CL決勝】藤田俊哉のポイント解説「勝敗を分けた背番号10の閃き」
●ポイント1
「勝負どころで違いを生み出したナンバー10」
【ゲームPHOTOギャラリー】バルサ 3-1 ユーベ
メッシの個人技に尽きる。今日は脇役に徹したけど、前半4分の先制点と2点目の起点はいずれもメッシだった。
立ち上がりの時間帯にサイドでタメを作って相手をおびき寄せて先制ゴールの流れを作り出せば、1-1に追いつかれた後には”風向き”が変わりつつあるなか、強烈なシュートでスアレスのゴールをお膳立て。勝負どころの時間帯で、しっかりと”違い”を生み出していた。
逆に言えば、メッシがいなければ結果は違っていただろう。MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)を挙げるとしたら、彼しかいない。
●ポイント2
「両エースの存在感の違い」
ユベントスに足りなかった点を挙げるなら、メッシがいなかったことだろう(苦笑)。それは言い過ぎとしても、攻撃のクオリティの部分でバルサより劣っていたと言わざるをえない。
両エースの貢献度を比べても、その差はやはり明らかだった。テベスも10代の頃に“マラドーナ2世”と呼ばれた選手だが……、ファイナルでの存在感の大きさはメッシのほうが数段上だった。
●ポイント3
「122ゴールに到達したトライアングルの破壊力」
バルセロナ最大の特長である前線のトライアングル──メッシ、スアレス、ネイマールが今季決めたゴール数は合わせて「122」。調べてみると、メッシは公式戦57試合で58ゴール、ネイマールは51試合で39ゴール、スアレスは43試合で25ゴールという成績だった。
ちなみに、ユベントスのチーム得点王は48試合で29ゴールのテベス。攻撃力の違いが、そのまま結果に表われたと言えるだろう。
最終ラインの柱でイタリア代表のキエッリーニを欠いた影響は多少あったかもしれないけれど、アッレグリ監督は采配を含めて最善を尽くしたと思う。この日はユベントスの守備力を凌駕したバルセロナの攻撃力を褒めるべきだろう。
●ポイント4
「ベテランがフル稼働したユベントスの台所事情」
ベテランのシャビをベンチに座らせる余裕があったバルセロナに対し、ユベントスはベテラン勢をフル活用していた。その点からも、ピッチ上での躍動感に違いが出ていたのは当然だろう。
9年前のドイツ・ワールドカップで、ピルロは同じスタジアムでイタリア代表を優勝に導いた立役者だった。中盤の底でチームを動かし、セットプレーの場面では直接ネットを揺らすなど異彩を放っていた。
しかし、そんなピルロも36歳。ビッグセーブでピンチを救い続けていたブッフォンもすでに37歳を迎えたとあって、当時と比べるとやはりパフォーマンスの低下は否めない。
時間の流れを感じさせるゲームでもあった。
●ポイント5
「ユーベのお株を奪ったバルサのカウンター」
今季のバルセロナはスアレスとラキティッチが加入し、”縦に強いスタイル”へと変貌した。ボールを奪ったら一気にゴールへ―─。ユベントスの伝統芸とされていたカウンターアタックはむしろバルセロナのほうが鋭く、強烈だった。
ラキティッチをシャビの後釜として据え、(ブラジル・ワールドカップでの噛み付き騒動による)出場停止明けから実質半年間でスアレスをチームの歯車として機能させたルイス・エンリケ監督の手腕も見逃せない。ポゼッションとカウンターを融合させたチームに進化させたうえで、トレブル(三冠)という極上の結果を残したのだから。
「勝負どころで違いを生み出したナンバー10」
【ゲームPHOTOギャラリー】バルサ 3-1 ユーベ
メッシの個人技に尽きる。今日は脇役に徹したけど、前半4分の先制点と2点目の起点はいずれもメッシだった。
立ち上がりの時間帯にサイドでタメを作って相手をおびき寄せて先制ゴールの流れを作り出せば、1-1に追いつかれた後には”風向き”が変わりつつあるなか、強烈なシュートでスアレスのゴールをお膳立て。勝負どころの時間帯で、しっかりと”違い”を生み出していた。
逆に言えば、メッシがいなければ結果は違っていただろう。MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)を挙げるとしたら、彼しかいない。
●ポイント2
「両エースの存在感の違い」
ユベントスに足りなかった点を挙げるなら、メッシがいなかったことだろう(苦笑)。それは言い過ぎとしても、攻撃のクオリティの部分でバルサより劣っていたと言わざるをえない。
両エースの貢献度を比べても、その差はやはり明らかだった。テベスも10代の頃に“マラドーナ2世”と呼ばれた選手だが……、ファイナルでの存在感の大きさはメッシのほうが数段上だった。
●ポイント3
「122ゴールに到達したトライアングルの破壊力」
バルセロナ最大の特長である前線のトライアングル──メッシ、スアレス、ネイマールが今季決めたゴール数は合わせて「122」。調べてみると、メッシは公式戦57試合で58ゴール、ネイマールは51試合で39ゴール、スアレスは43試合で25ゴールという成績だった。
ちなみに、ユベントスのチーム得点王は48試合で29ゴールのテベス。攻撃力の違いが、そのまま結果に表われたと言えるだろう。
●ポイント4
「ベテランがフル稼働したユベントスの台所事情」
ベテランのシャビをベンチに座らせる余裕があったバルセロナに対し、ユベントスはベテラン勢をフル活用していた。その点からも、ピッチ上での躍動感に違いが出ていたのは当然だろう。
9年前のドイツ・ワールドカップで、ピルロは同じスタジアムでイタリア代表を優勝に導いた立役者だった。中盤の底でチームを動かし、セットプレーの場面では直接ネットを揺らすなど異彩を放っていた。
しかし、そんなピルロも36歳。ビッグセーブでピンチを救い続けていたブッフォンもすでに37歳を迎えたとあって、当時と比べるとやはりパフォーマンスの低下は否めない。
時間の流れを感じさせるゲームでもあった。
●ポイント5
「ユーベのお株を奪ったバルサのカウンター」
今季のバルセロナはスアレスとラキティッチが加入し、”縦に強いスタイル”へと変貌した。ボールを奪ったら一気にゴールへ―─。ユベントスの伝統芸とされていたカウンターアタックはむしろバルセロナのほうが鋭く、強烈だった。
ラキティッチをシャビの後釜として据え、(ブラジル・ワールドカップでの噛み付き騒動による)出場停止明けから実質半年間でスアレスをチームの歯車として機能させたルイス・エンリケ監督の手腕も見逃せない。ポゼッションとカウンターを融合させたチームに進化させたうえで、トレブル(三冠)という極上の結果を残したのだから。