速報発表で山本彩はなぜ泣いたのか。AKB選抜総選挙徹底予想
AKB48の41枚目のシングルを歌うメンバーをファン投票で決める「AKB48 41thシングル 選抜総選挙」。その投票期間もきょう(6月3日)を入れてあと3日を残すのみとなった。投票は今週金曜の6月5日の15時をもって締め切られ、翌6日には福岡ヤフオク!ドームにて開票イベントが開催される。これに先立ち、本日3日より東京のアーツ千代田3331で「AKB48選抜総選挙ミュージアム」も始まる(会期は21日まで)。
私も投票の始まった日(5月19日)にSKE48の公式モバイルサイトからさっそく一推しのメンバーに投票した。しかしまだほかにも投票権を残しているので、それで誰に入れるかちょっと悩んでいるところである。もちろん、筋からいえば推しメンにすべての票を投じるべきなのだろう。ただ私のなかでは、選抜総選挙は単なる人気投票というよりも、この1年間でもっとも活躍したと思われるメンバーへの評価を態度で示す格好の機会という意味合いが強い。何を評価するのか、それも多岐におよぶので、どうしても投票するメンバーが一人に絞りきれないのだ。
そういうこともあって、私にとってトップや選抜16人を決める争いというのは、あくまで二の次だったりするの。と言いつつ、今年のトップ争いはいつにもまして気になるのだが。投票開始の翌日、5月21日にはさっそく速報値が発表され、1位から5位にそれぞれ指原莉乃(HKT48)・柏木由紀(AKB48・NGT48兼任)・渡辺麻友(AKB48)・松井珠理奈(SKE48・AKB48兼任)・山本彩(NMB48・AKB48兼任)がランクインした。
このうち渡辺麻友は昨年、前年1位で速報でも1位だった指原莉乃をおさえて初めて1位になった。この両者が今年はどんな勝負を見せるのか、気になる向きも多いことだろう。とくに総選挙では連覇を果たしたメンバーはまだいないため、渡辺の結果が注目される。
ほかの3人、柏木・松井・山本はまだ総選挙で1位になったことはない。松井珠理奈についていえば、「W松井」のもうひとり・松井玲奈が今年は立候補を辞退した分、玲奈ファンやSKE48の箱推しの票が彼女に流れる可能性は高い。私もSKE48ファンである以上、いつか珠理奈が1位になることを夢見ている。ただ、いま珠理奈がトップに立っても、風当たりが強いのでは……とよけいな心配もしてしまう。
私の勝手な希望を述べるなら、今年は柏木由紀が1位になるのが一番丸く収まるのではないか。渡辺麻友とは同じくAKB48の3期メンバーであり2人そろって「まゆゆきりん」とも称される同志的存在であるし、一方、指原莉乃とは同じく九州出身(柏木が鹿児島、指原が大分)であり、いずれもハロプロファンが高じて自らもアイドルとなったという点が共通する。何より、初めて九州で開催される開票イベントで1位になることは、今年秋に始動する新潟のNGT48の兼任が決まっている柏木にとって、何よりのはなむけとなるはずだ。
いや、その考えでいけば今回1位にすべきは、年内での卒業が決まっている高橋みなみ(速報6位)ではないか、との意見ももちろんあろう。私もそれを認めるにやぶさかではない。昔の自民党であれば、長老議員が出てきて「ここは党内融和のためにも、年功序列で高橋君にまかせたい」と鶴の一言でリーダーが決まるところだが……って、私は何の話をしているのだ。
話が何やらあさっての方向に行きそうなので、トップ争いについてはこのへんにして、今回の選抜総選挙で私の注目する、また票を入れたいと思っているメンバーを各グループごとにあげておきたい。
速報では、上位16位(開票後には選抜メンバーとしてシングル曲を歌うグループ)に兒玉遥(昨年21位)が8位、宮脇咲良(昨年26位)が12位につけ、さらに昨年圏外の渕上舞が15位に入っている。昨年ランクインしたメンバーでいえば、坂口理子(昨年60位)が17位、森保まどか(昨年25位)が24位、田島芽瑠(昨年38位)が27位、朝長美桜(昨年27位)が30位、松岡菜摘(昨年64位)が58位、駒田京伽(昨年79位)が67位と、速報の時点では前回の順位を上回るメンバーのほうが多い。
そればかりか昨年圏外だったメンバーにも、神志那結衣(速報29位)・岡田栞奈(速報40位)・秋吉優花(速報47位)・下野由貴(速報52位)・冨吉明日香(速報55位)・後藤泉(速報74位)がランクインしている。
このように速報を見るかぎり、今年のHKT48は、2012年のSKE48を思わせる快進撃を予感させる。昨年のTOKYO IDOL FESTIVALでも48グループを代表して出演し、しっかりと足跡を残すなど、この1年の成果が票にもつながっているのだろう。今年の開票イベントは地元開催だし、台風の目となることはまず間違いないはずだ。
すでにあちこちで書かれているとおり、速報でランクインした顔ぶれを見ると、世代交代をはっきりと感じさせる。一昨年に加入した15期生からは込山榛香(速報37位)・向井地美音(速報54位)・大和田南那(速報65位)・福岡聖菜(速報77位)といずれも昨年圏外ながら入ってきた。
もちろん、意外というか、開票に向け不安を残すメンバーもいる。高橋みなみ卒業後に48グループ総監督に就任する予定の横山由依は、速報では20位にとどまった。また「三銃士」「なまこ姫」などと称される14期の岡田奈々(昨年51位)・小嶋真子(昨年36位)・西野未姫(昨年62位)の3人のうち、速報でランクインしたのは26位に入った岡田だけだったのも気になる。
ところで、AKB48には小嶋姓のメンバーが、上記の小嶋真子、今回は出馬を辞退した1期生の小嶋陽菜のほかにもう一人いる。それが11期生の小嶋菜月だ。3人の小嶋では唯一、総選挙でランクインしていない彼女が速報で56位に入ってきて驚いた。いや、一昨年の総選挙前の記事で彼女をとりあげた私としては、喜ぶべき事態なのだけれども。開票イベントでも、あの愛嬌あふれる笑顔をぜひ見せてほしい。
一昨年の選抜総選挙で、一般的な知名度はまだ低かった柴田阿弥を一躍17位にランクインさせ、シンデレラガールと世間に言わしめたSKE48ファンの投票力はまだまだ健在のようだ。何しろ、選抜総選挙やSKE48のシングル選抜の常連メンバーにとどまらず、鎌田菜月(速報33位)・日高優月(速報49位)・酒井萌衣(速報70位)・竹内彩姫(速報78位)といった選抜回数・総選挙ランクインともに0回の若手メンバーが入ってくるのだから。熊崎晴香(速報53位)や江籠裕奈(速報66位)もSKE48でもまだ選抜を1回しか経験していないことを考えると、速報での順位は十分に健闘といえる。
元祖シンデレラガールの柴田にいたっては、速報で第9位に食いこみ、昨年の15位以上の順位を期待させる。同じくSKE48の4期生で、仲の悪さを装いながらも大の親友だった小林亜実(昨年77位。最高位は一昨年の47位)がこの春卒業したことから、そのファンの票もかなり柴田へと流れているのではないか。
また、10代ながら2期生として6年のキャリアを持つ石田安奈(速報38位)や磯原杏華(速報47位)などは、いずれも今回このまま残れば初圏内となる。このうち磯原は、SKE48の最新シングルの「コケティッシュ渋滞中」で初めて選抜入りを果たした苦労人だ。
私がとりわけ注目したいのは、速報で28位だった後藤理沙子である。個性派ぞろいのSKE48の3期生の現役メンバー(AKB48に移籍した木崎ゆりあも含む)のうち、後藤だけは総選挙でのランクイン経験がない。それでも握手会では、同期の須田亜香里(昨年10位・速報32位)とは真逆をゆく“S対応”で一部ファンの人気を集めている。また、日々のブログでの本文とは関係のないタイトルが妙に深淵だったりと、常に気になる存在ではあった。SKE48のある意味“最終兵器”ともいうべき後藤が今回の総選挙でどこまで伸びるのか、大いに期待したい。
おっと、忘れてはいけない。貢献度からいえば、上海のSHN48との兼任の宮澤佐江(昨年12位・速報13位)には、ぜひ投票しておきたい。昨年の舞台「AKB49〜恋愛禁止条例〜」での渾身の演技も忘れがたいし、先頃、NHKのEテレで放送された宮澤のドキュメンタリーを見ていたら、上海での奮闘ぶりや、握手会での手話を交えての対応など初めて知る面もあって、ますます彼女に尊敬の念を抱いた。
速報発表時にNMB48のリーダー格である山本彩(AKB48と兼任)が、自身は5位につけながらも、同じグループのメンバーがあまりランクインしなかったため、思わず泣き崩れた。白間美瑠(昨年43位)、小谷里歩(昨年61位)、吉田朱里(昨年72位)ら昨年のランクイン組が今回の速報では軒並み圏外だったことを思えば無理もない。
そのなかにあって、スタイルのよさでグラビア出演も増えている上西恵(昨年58位)は速報で34位につけ、また昨年圏外の沖田彩華と渋谷凪咲がランクイン(それぞれ44位と75位)している。けっして不安な要素ばかりではないのだ。
私個人としては、この1年間のシングルでも「高嶺の林檎」「らしくない」など好きな曲は多いし、コントをやらせれば関西出身者が中心のせいかやはり笑いの勘所を押さえていて、48グループでは一番うまいと思う。今年2月に愛知県体育館でNMB48の単独コンサートを見たときも、MCでこぞって笑いをとろうとするメンバーの姿に驚いた。ほかのグループではあまり見られない光景だからだ。それら要素を一つひとつ振り返るにつけ、山本ならずとも今回の速報結果は意外であり、その原因がよくわからない。
NMB48で私が注目しているメンバーとして、惜しくも速報ではランクインはならなかったが、須藤凛々花(昨年圏外)をあげておきたい。須藤は一昨年の「第1回AKB48グループ ドラフト会議」でNMB48のチームNに指名されグループ入りした。先月10日の第2回ドラフト会議では反対に選ぶ立場となり、2チーム競合となった西仲七海との交渉権を自らの手で引き当てたのが記憶に新しい。
ちなみに須藤の将来の夢は哲学者とか。AKB48の内山奈月(速報64位)が大学で学ぶ「憲法」を武器に対談本を出したり、自民党が選挙年齢引き下げの議論のため参考人招致を一時検討したりと、話題を呼んでいる。それを思えば、知的キャラとしてもっと世間にアピールしていくのも一つの手だろう。
NMB48では今回の速報発表と同日に、13歳以上かつ在籍1年以上のメンバーが一挙にツイッターを始めた。開票イベントではその効果が表れることを祈りたい。
速報発表だけでもさまざまなドラマが読み取れた今回の選抜総選挙。本番である開票イベントのステージではきっと、さらなる名フレーズ、名場面が生まれるに違いない。ここにあげたメンバー、そして私の一推しであるSKE48の神門沙樹(昨年圏外)が果たしてランクインするのか、チェックしながらイベントそのものを楽しみたい。なお開票発表の様子は今年もフジテレビで生中継が予定されている。
(近藤正高)
風当たりが強いのでは……
私も投票の始まった日(5月19日)にSKE48の公式モバイルサイトからさっそく一推しのメンバーに投票した。しかしまだほかにも投票権を残しているので、それで誰に入れるかちょっと悩んでいるところである。もちろん、筋からいえば推しメンにすべての票を投じるべきなのだろう。ただ私のなかでは、選抜総選挙は単なる人気投票というよりも、この1年間でもっとも活躍したと思われるメンバーへの評価を態度で示す格好の機会という意味合いが強い。何を評価するのか、それも多岐におよぶので、どうしても投票するメンバーが一人に絞りきれないのだ。
そういうこともあって、私にとってトップや選抜16人を決める争いというのは、あくまで二の次だったりするの。と言いつつ、今年のトップ争いはいつにもまして気になるのだが。投票開始の翌日、5月21日にはさっそく速報値が発表され、1位から5位にそれぞれ指原莉乃(HKT48)・柏木由紀(AKB48・NGT48兼任)・渡辺麻友(AKB48)・松井珠理奈(SKE48・AKB48兼任)・山本彩(NMB48・AKB48兼任)がランクインした。
このうち渡辺麻友は昨年、前年1位で速報でも1位だった指原莉乃をおさえて初めて1位になった。この両者が今年はどんな勝負を見せるのか、気になる向きも多いことだろう。とくに総選挙では連覇を果たしたメンバーはまだいないため、渡辺の結果が注目される。
ほかの3人、柏木・松井・山本はまだ総選挙で1位になったことはない。松井珠理奈についていえば、「W松井」のもうひとり・松井玲奈が今年は立候補を辞退した分、玲奈ファンやSKE48の箱推しの票が彼女に流れる可能性は高い。私もSKE48ファンである以上、いつか珠理奈が1位になることを夢見ている。ただ、いま珠理奈がトップに立っても、風当たりが強いのでは……とよけいな心配もしてしまう。
私の勝手な希望を述べるなら、今年は柏木由紀が1位になるのが一番丸く収まるのではないか。渡辺麻友とは同じくAKB48の3期メンバーであり2人そろって「まゆゆきりん」とも称される同志的存在であるし、一方、指原莉乃とは同じく九州出身(柏木が鹿児島、指原が大分)であり、いずれもハロプロファンが高じて自らもアイドルとなったという点が共通する。何より、初めて九州で開催される開票イベントで1位になることは、今年秋に始動する新潟のNGT48の兼任が決まっている柏木にとって、何よりのはなむけとなるはずだ。
いや、その考えでいけば今回1位にすべきは、年内での卒業が決まっている高橋みなみ(速報6位)ではないか、との意見ももちろんあろう。私もそれを認めるにやぶさかではない。昔の自民党であれば、長老議員が出てきて「ここは党内融和のためにも、年功序列で高橋君にまかせたい」と鶴の一言でリーダーが決まるところだが……って、私は何の話をしているのだ。
話が何やらあさっての方向に行きそうなので、トップ争いについてはこのへんにして、今回の選抜総選挙で私の注目する、また票を入れたいと思っているメンバーを各グループごとにあげておきたい。
HKT48――今年の“台風の目”となる予感
速報では、上位16位(開票後には選抜メンバーとしてシングル曲を歌うグループ)に兒玉遥(昨年21位)が8位、宮脇咲良(昨年26位)が12位につけ、さらに昨年圏外の渕上舞が15位に入っている。昨年ランクインしたメンバーでいえば、坂口理子(昨年60位)が17位、森保まどか(昨年25位)が24位、田島芽瑠(昨年38位)が27位、朝長美桜(昨年27位)が30位、松岡菜摘(昨年64位)が58位、駒田京伽(昨年79位)が67位と、速報の時点では前回の順位を上回るメンバーのほうが多い。
そればかりか昨年圏外だったメンバーにも、神志那結衣(速報29位)・岡田栞奈(速報40位)・秋吉優花(速報47位)・下野由貴(速報52位)・冨吉明日香(速報55位)・後藤泉(速報74位)がランクインしている。
このように速報を見るかぎり、今年のHKT48は、2012年のSKE48を思わせる快進撃を予感させる。昨年のTOKYO IDOL FESTIVALでも48グループを代表して出演し、しっかりと足跡を残すなど、この1年の成果が票にもつながっているのだろう。今年の開票イベントは地元開催だし、台風の目となることはまず間違いないはずだ。
AKB48“第三の小嶋”がついに覚醒か
すでにあちこちで書かれているとおり、速報でランクインした顔ぶれを見ると、世代交代をはっきりと感じさせる。一昨年に加入した15期生からは込山榛香(速報37位)・向井地美音(速報54位)・大和田南那(速報65位)・福岡聖菜(速報77位)といずれも昨年圏外ながら入ってきた。
もちろん、意外というか、開票に向け不安を残すメンバーもいる。高橋みなみ卒業後に48グループ総監督に就任する予定の横山由依は、速報では20位にとどまった。また「三銃士」「なまこ姫」などと称される14期の岡田奈々(昨年51位)・小嶋真子(昨年36位)・西野未姫(昨年62位)の3人のうち、速報でランクインしたのは26位に入った岡田だけだったのも気になる。
ところで、AKB48には小嶋姓のメンバーが、上記の小嶋真子、今回は出馬を辞退した1期生の小嶋陽菜のほかにもう一人いる。それが11期生の小嶋菜月だ。3人の小嶋では唯一、総選挙でランクインしていない彼女が速報で56位に入ってきて驚いた。いや、一昨年の総選挙前の記事で彼女をとりあげた私としては、喜ぶべき事態なのだけれども。開票イベントでも、あの愛嬌あふれる笑顔をぜひ見せてほしい。
SKE48の“最終兵器”はどこまで伸びるか
一昨年の選抜総選挙で、一般的な知名度はまだ低かった柴田阿弥を一躍17位にランクインさせ、シンデレラガールと世間に言わしめたSKE48ファンの投票力はまだまだ健在のようだ。何しろ、選抜総選挙やSKE48のシングル選抜の常連メンバーにとどまらず、鎌田菜月(速報33位)・日高優月(速報49位)・酒井萌衣(速報70位)・竹内彩姫(速報78位)といった選抜回数・総選挙ランクインともに0回の若手メンバーが入ってくるのだから。熊崎晴香(速報53位)や江籠裕奈(速報66位)もSKE48でもまだ選抜を1回しか経験していないことを考えると、速報での順位は十分に健闘といえる。
元祖シンデレラガールの柴田にいたっては、速報で第9位に食いこみ、昨年の15位以上の順位を期待させる。同じくSKE48の4期生で、仲の悪さを装いながらも大の親友だった小林亜実(昨年77位。最高位は一昨年の47位)がこの春卒業したことから、そのファンの票もかなり柴田へと流れているのではないか。
また、10代ながら2期生として6年のキャリアを持つ石田安奈(速報38位)や磯原杏華(速報47位)などは、いずれも今回このまま残れば初圏内となる。このうち磯原は、SKE48の最新シングルの「コケティッシュ渋滞中」で初めて選抜入りを果たした苦労人だ。
私がとりわけ注目したいのは、速報で28位だった後藤理沙子である。個性派ぞろいのSKE48の3期生の現役メンバー(AKB48に移籍した木崎ゆりあも含む)のうち、後藤だけは総選挙でのランクイン経験がない。それでも握手会では、同期の須田亜香里(昨年10位・速報32位)とは真逆をゆく“S対応”で一部ファンの人気を集めている。また、日々のブログでの本文とは関係のないタイトルが妙に深淵だったりと、常に気になる存在ではあった。SKE48のある意味“最終兵器”ともいうべき後藤が今回の総選挙でどこまで伸びるのか、大いに期待したい。
おっと、忘れてはいけない。貢献度からいえば、上海のSHN48との兼任の宮澤佐江(昨年12位・速報13位)には、ぜひ投票しておきたい。昨年の舞台「AKB49〜恋愛禁止条例〜」での渾身の演技も忘れがたいし、先頃、NHKのEテレで放送された宮澤のドキュメンタリーを見ていたら、上海での奮闘ぶりや、握手会での手話を交えての対応など初めて知る面もあって、ますます彼女に尊敬の念を抱いた。
NMB48――速報発表で山本彩はなぜ涙したのか?
速報発表時にNMB48のリーダー格である山本彩(AKB48と兼任)が、自身は5位につけながらも、同じグループのメンバーがあまりランクインしなかったため、思わず泣き崩れた。白間美瑠(昨年43位)、小谷里歩(昨年61位)、吉田朱里(昨年72位)ら昨年のランクイン組が今回の速報では軒並み圏外だったことを思えば無理もない。
そのなかにあって、スタイルのよさでグラビア出演も増えている上西恵(昨年58位)は速報で34位につけ、また昨年圏外の沖田彩華と渋谷凪咲がランクイン(それぞれ44位と75位)している。けっして不安な要素ばかりではないのだ。
私個人としては、この1年間のシングルでも「高嶺の林檎」「らしくない」など好きな曲は多いし、コントをやらせれば関西出身者が中心のせいかやはり笑いの勘所を押さえていて、48グループでは一番うまいと思う。今年2月に愛知県体育館でNMB48の単独コンサートを見たときも、MCでこぞって笑いをとろうとするメンバーの姿に驚いた。ほかのグループではあまり見られない光景だからだ。それら要素を一つひとつ振り返るにつけ、山本ならずとも今回の速報結果は意外であり、その原因がよくわからない。
NMB48で私が注目しているメンバーとして、惜しくも速報ではランクインはならなかったが、須藤凛々花(昨年圏外)をあげておきたい。須藤は一昨年の「第1回AKB48グループ ドラフト会議」でNMB48のチームNに指名されグループ入りした。先月10日の第2回ドラフト会議では反対に選ぶ立場となり、2チーム競合となった西仲七海との交渉権を自らの手で引き当てたのが記憶に新しい。
ちなみに須藤の将来の夢は哲学者とか。AKB48の内山奈月(速報64位)が大学で学ぶ「憲法」を武器に対談本を出したり、自民党が選挙年齢引き下げの議論のため参考人招致を一時検討したりと、話題を呼んでいる。それを思えば、知的キャラとしてもっと世間にアピールしていくのも一つの手だろう。
NMB48では今回の速報発表と同日に、13歳以上かつ在籍1年以上のメンバーが一挙にツイッターを始めた。開票イベントではその効果が表れることを祈りたい。
速報発表だけでもさまざまなドラマが読み取れた今回の選抜総選挙。本番である開票イベントのステージではきっと、さらなる名フレーズ、名場面が生まれるに違いない。ここにあげたメンバー、そして私の一推しであるSKE48の神門沙樹(昨年圏外)が果たしてランクインするのか、チェックしながらイベントそのものを楽しみたい。なお開票発表の様子は今年もフジテレビで生中継が予定されている。
(近藤正高)