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幼い子供への虐待のニュースが多く、その背景に、孤独な育児や仕事と育児の板挟みで苦しむ母親など様々な問題が浮上しています。これから結婚→出産→育児というママコースを歩もうと考えているアラサー女子は、これらのニュースを見るたび、母になることに躊躇する人もいるでしょう。

映画『真夜中のゆりかご』にも、育児に苦しむママが登場します。ひとりは刑事の妻(マリア・ボネヴィー)で、息子の夜泣きが悩み。夫は妻を気遣っていますが、彼女の場合、実母が冷たいことが心に陰を落としています。もうひとりは男のDVに苦しむ女(リッケ・メイ・アンデルセン)で、子供の世話をしたくてもできない状態です。では2人のママから、母になるために必要なことを見ていきましょう!

    1.軽くズボラになる!

「長女(長男)には手をかけたが、次女(次男)はほったらかしだったわ〜」というママがいますが、そうなんです、最初の子は手探り育児なので神経質になりがちなのです。刑事の妻も赤ちゃんの夜泣きは当たり前だと思えばいいのに、とても神経質になり「眠らせなければ」と、わざわざベビーカーに乗せて、危険な夜道へお散歩に出かけてしまいます。

育児は神経質になるほど、限度なくアレコレ気になって自分の首を絞めていきます。この刑事の妻のようにドツボにはまりがちなのです。赤ちゃんに栄養を与え、清潔にして、病気や危険から守ってあげる。この3つができていればいいや! くらいの気持ちでいればいいのです。

    2.主夫になれる男を選ぶ

薬物依存症のDV男から逃れられないママは、子供を優先することを男が許さないのでたびたび暴力を振るわれます。「そんな薬物依存症やDV男なんかとは絶対に結婚しないから大丈夫!」と思うかもしれない。でもDV男じゃなくても、妻が自分より子供を優先することを面白くないと思う夫は確実にいます。

育児で苦しまないためには、まずは夫選びが重要。仕事大好きで出世コースを邁進するエリート男子に女性は憧れますが、この手の野心家の男は、育児に非協力で自分を優先する人がけっこういます。すると、妻は忙し過ぎてストレスをためたり、孤独に陥ったり、仕事復帰が困難になったりするかもしれません。

そうならないために、子供好きで家事も大好きな主夫男との結婚もあり! と考えましょう。あなたが仕事好きで出世を望む場合、あなたが稼いで、夫が育児という生活の方がいい場合もあります。またそういう男は共働きでも、子供中心の生活を嫌がらないので育児の負担も減るのです。

    3.子育てに正解はないと考える

刑事の妻は、自分が母に愛されなかったため、どういう育児をしたらいいのかわからず混乱しています。一方、薬物依存症の妻は、息子を愛し、ちゃんと育てたいという意志を感じます。自分が求めることが明確だと意外と答えがすぐ出るものです。

ママたちはみんな生まれ育った環境も生活も違いますから、子供への向き合い方が違うのは当然です。世の中に育児マニュアル本はたくさんありますが、正解なんてどこにもないのです。何事も「こうしなくちゃいけない!」と思わず、「私の場合はこうしてみる!」と日頃から自分らしさを大切にしましょう。仕事も友人関係も、自分にとって良きことを考えて行動してみる。そうすればママになったとき、周囲に振り回されず自分なりの子育てができるはずです。

映画『真夜中のゆりかご』は、刑事が自分の赤ちゃんが死んだという現実を受け入れられず、ネグレクト(育児放棄)されている乳児と交換してしまうサスペンスです。でもネグレクト母はガンとして「我が子を返せ」と譲りません。これもまたひとつの母性。そんな母性が自分にあるのか、子供を育てるとはどういうことか……こればかりは産んでみないとわかりません。でも虐待や育児ノイローゼを恐れる前にやれることはあるはず。母になる準備をきちんと整えておけば、母になることに前向きになれる日が来るのではないでしょうか。

(斎藤香)