NTTドコモ<9437>は28日、PHS(簡易型携帯電話)サービスの新規申し込み受付を、4月30日で終了すると発表した。サービス自体の停止も、「利用状況などを見つつ終了の検討を進める」としている。

 これに伴い、同社は05年3月期末に連結でPHS事業資産の減損損失約610億円を計上。同期連結業績予想は純利益が従来予想を360億円下回る7220億円、営業利益が同約610億円減の7690億円、税引き前利益が同610億円減の1兆2550億円に下方修正した。売上高は4兆8200億円で増減はなかった。

 ドコモは98年、NTTパーソナルグループからPHS事業を引き継いだ。しかし加入者数は減少が続き、今年1月末で約137万件と、97年のピーク時の210万件から大幅に落ち込んだ。同社は受付終了について、「携帯電話サービスの低料金化や多機能化などに伴い、契約者の減少傾向は続くものと予想されることから、経営資源を携帯電話事業(FOMA)へ集中する」と説明している。

 同社が撤退する場合、PHS事業を全国展開する企業はウィルコム(旧DDIポケット)のみになる。【了】