アメリカ産牛肉は、2003年12月に牛海綿状脳症(BSE)発生以来輸入禁止されている。今後、食品安全委員会の答申を基に、政府が輸入再開について決定するが、輸入再開された場合でも、アメリカ産牛肉を「購入しない」とする人が4割を超えていることが8日までに、インターワイヤード(本社・東京都品川区、斉藤義弘代表)のインターネット調査で明らかになった。

 調査は、同社が運営するネットリサーチサービスに登録のモニターを対象に、2005年10月19日から25日までの間に行われ、6003人(男女比42.2%:57.8%)から有効回答を得た。

 ◆輸入再開は不安=66.3%
 「アメリカ産牛肉の輸入再開についてどう感じるか」との質問に対して、「非常に不安」(28.1%)、「やや不安」(38.2%)と66.3%の回答者が何らかの「不安」を感じていることが分かった。性年代別の回答では、「不安」と回答した割合が最も多かったのが60代以上の女性で、「非常に不安」(35.6%)、「やや不安」(49.2%)。反対に最も少なかったのは10代以下の男性(「非常に不安」「やや不安」ともに21.7%)であった。

 ◆アメリカ産牛肉は買わない=41.5%
 「輸入が再開されたらアメリカ産牛肉を購入するか」という問いには、「購入しない」と答えた人は41.5%で、「わからない」(36.0%)、「購入する」(22.5%)を上回った。60代以上の女性は「購入しない」と回答した割合が64.4%と最も高く、「購入する」は10.2%にとどまった。反対に、「購入する」という回答が最も多かったのが20代の男性で、33.3%であった。どの年代も、男性より女性の方が「購入しない」と答えた割合が多く、年代が上がるにつれて「購入しない」と回答した人が増えている。

 ◆全頭検査を実施したら購入する=62.6%
 輸入が再開されても、アメリカ産牛肉を「購入しない」と回答した人に、「どんな点が改善されたら購入するか」と尋ねたところ、62.6%が「全頭検査を実施したら」と答えた。次いで「科学的に安全が証明されたら」(42.6%)、「輸入時に特定危険部位を完全に取り除く」(31.8%)であった。4割以上の回答者が輸入が再開されてもアメリカ産牛肉は買わないと答えたが、「安全が証明されれば」という条件付きで6割超が購入の意向があることが分かった。その一方で、20.1%の回答者が「どんな点が改善されてもアメリカ産牛肉は購入しない」としている。【了】

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