新日鐵住金は、木質バイオマス資源の使用量を拡大し、省エネルギー(輸入化石燃料である石炭使用量削減)と温室効果ガス削減等を図る(写真:同社発表資料より)

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 新日鐵住金は19日、釜石製鐵所の石炭火力発電所(発電出力:14万9,000KW)で、木質バイオマス資源の使用量を大幅に拡大するとともに、新たに大分製鐵所の既設火力発電所(発電出力:33万KW)で、木質バイオマス資源の石炭との混焼を開始したと発表した。これによって省エネルギー(輸入化石燃料である石炭使用量削減)と温室効果ガス削減等を図る。

 2012年7月より、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)が開始されたが、木質バイオマスについては、集荷の困難性や発生源と利用先とのマッチングなどの課題により、その利用量は大きな拡大にはつながっていなかった。また、大分県では、林業再生の観点から、間伐や主伐により伐採された木材のうち未利用のまま林地に放置されている未利用材を、活用する要請が強まっていた。

 このため、大分製鐵所では、2014年12月より、石炭火力発電設備において地域で発生する未利用材を破砕処理した木質チップの混焼を開始し、2月より受け入れ目標である1000t/月を達成することができた。使用数量は1万2,000t/年、使用形態はチップで、2015年2月より所期の計画数量にて使用開始する。

 また、釜石製鐵所では、2010年10月より地域で発生する木質バイオマス資源を火力発電所にて石炭と混焼し、省エネルギー、温室効果ガス削減に加え、地域の林業振興にも貢献している。こうした中で、同所では、さらなる温室効果ガス削減、地域の林業振興に貢献することを目的に、木質バイオマスの事前破砕設備を増設するとともに、ボイラー設備および木質バイオマスと石炭の受入設備を増強・改造することで、木質バイオマス資源の利用拡大を図ることとした。

 使用数量は最終目標4万8,000t/年(現状約7,000t/年)、使用形態は細粒チップで、2015年6月開始の予定である。