新ポスティングシステムで米大リーグ入りを目指していた楽天・田中将大が、ヤンキースと7年1億5500万ドル(約161億円)の契約で入団することが23日、決まった。多くの大リーガーを輩出している韓国でも大きな話題となっており、複数の韓国メディアは大リーグで活躍する自国選手とを比較し、「日本と韓国の野球の格差が浮き彫りになった」などと報じた。

 今回の契約は、投手では史上5番目、アジア人としては史上最高の巨額契約となった。テキサス・レンジャーズと2012年に6年契約年俸総額6000万ドルで契約したダルビッシュ有投手、13年に7年1億3000万ドルで契約した秋信守(チュ・シンス)外野手を上回る。

 韓国メディアは、田中投手の楽天での活躍を評価しつつも、待遇がいかに破格であるかを強調した。

 特に、マイナーリーグとメジャーリーグで数年間苦労した秋信守選手よりも高い契約金だと指摘し、「韓国ファンとしてはプライドが傷つくものだ」と主張。12年に韓国ハンファからドジャーズにポスティングシステムで移籍し、6年総額3600万ドルの契約を結んだ柳賢振(リュ・ヒョンジン)投手の契約が「みすぼらしくみえるほど」とも記した。

 このような「格差」が付いたことに、韓国の野球関係者は、メジャーリーグの日本野球と韓国野球に対する視線が異なるためだと指摘した。同関係者によると、同じ状況と条件で韓国のエースが大リーグに移籍を希望しても、同じ待遇を受けることは難しいとの見方を示した。

 韓国メディアは、五輪やワールド・ベースボール・クラシック(WBC)などで韓国野球は日本野球を何度も破り、「日本との格差がなくなった」と評価する声もあったが「現実は冷たかった」と主張。田中の大型契約から、「メジャーリーグの日本と韓国に対する視線を間接的に確認することになった」と伝えた。(編集担当:新川悠)