#30 岡本洋介 - Yousuke Okamoto
#30 岡本洋介 - Yousuke Okamoto
投手、右投右打
2009年ドラフト6巡目
和歌山県立南部高校〜国士舘大学〜ヤマハ〜埼玉西武ライオンズ
1985年9月27日生、177cm/75kg
岡本洋介投手は2009年のドラフト会議で、埼玉西武ライオンズから6巡目指名を受けた。2009年のドラフトと言えば、渡辺久信監督が6球団の競合から菊池雄星投手との交渉権を引き当てたドラフトだった。その時、西武球団が最後に指名したのが岡本投手だった。岡本投手自身は当然プロ野球を目標にして頑張ってきた選手だ。だが叔父である岡本光投手がドラフト2位指名で巨人入りするも、3勝2敗2Sという成績で、僅か8年でユニフォームを脱いでしまう。ドラフト2位で指名された選手であってもなかなか活躍することができない。そんなプロ野球の厳しい世界を岡本洋介投手はプロ入り前からよく知っていたのだ。
だからだろうか?岡本投手は6巡目指名によるプロ入りに当初難色を示し続けた。プロには行きたいが、しかし6巡目という評価は低すぎる、そう考えたのかもしれない。これにより岡本投手と西武球団の入団交渉は三度にも渡った。最終的には契約金3000万円、年俸1000万円という条件で合意をするも、それまでにはかなりの悩みを抱えていたようだ。確か岡本洋介投手を担当したのは当時アマチュア担当だった高木浩之氏だった(現2軍野手総合コーチ)。その高木スカウトの粘り強い説得もあり、三度目の交渉でようやく合意に至ったというそんな経緯を辿っている。
アマチュア時代の岡本投手に目立った功績はない。甲子園にも出場できず、大学は東都の2部、社会人でもヤマハで都市対抗ベスト8が最高だった。それぞれのチームの主戦投手としては素晴らしい活躍を見せていたものの、プロ野球のスカウトが登板日に集結するような結果を見せることはなかった。そんな岡本投手に目を光らせ、西武入りに尽力したのが先の高木浩之スカウトだったというわけだ。他球団は岡本投手に対しほとんど注目をしていなかった。だからこそ西武球団は6巡目での指名が可能となったのだ。つまり岡本投手が考えていたように、決して西武球団の岡本投手への評価が低かったわけではない。6巡目指名は、ドラフト巧者である西武球団のまさにファインプレーだったのだ。
入団3年目までは体もまだプロのものではなく、なかなか結果を残すことができなかった。だが4年目となった2013年今季は、その花が一気に咲き出すことになる。1軍合流当初はモップピッチャーとして投げていた。つまり敗戦処理をするロングリリーバーだ。そこで少しずつ結果を残し続けると、徐々に勝ち試合でも投げさせてもらえるようになり、夏場からはいよいよ先発投手として抜擢されるようになった。レギュラーシーズンでは32試合中6試合で先発登板を果たしている。そして先発としては1勝2敗で防御率は3.68だった。ちなみに今季通算では4勝4敗3.84という成績だった。先発では1勝2敗ではあるが、しかし今季初先発となった8月29日は8回を完投して1失点で敗戦投手になっている。仮に打線が2点取っていれば岡本投手は勝ち投手になることができていた。つまり実際には1勝2敗ではなく、2勝1敗であったと評価して良いことになるだろう。
岡本投手が本当に素晴らしいピッチングを見せてくれたのは10月13日、マリーンズとのCSファーストステージ2回戦だった。何とこの大舞台で岡本投手はプロ初完封勝利を挙げて見せたのだった。試合前、渡辺久信監督は「第二先発投手を準備する」と言っていただけに、これはライオンズにとってはまさに嬉しい大誤算となった。ちなみにこの試合をテレビ解説していたのは伊原春樹新監督だった。岡本投手は来季のローテ入りに向け、知らず知らずのうちに新監督に対し素晴らしいアピールをすることに成功したのだった。
ストレートのアベレージはだいたい140km台前半。それにスライダーとチェンジアップというのが岡本投手の武器だ。しかしもう一つ、右打者の懐に投げられるツーシームを投げられるようになれば、ピッチングがもっと楽になるだろう。今のままでは、10勝という数字はなかなか難しいと思う。恐らく他球団の打者が岡本投手を見慣れてしまうと、勝ち星を先行させることも難しくなるだろう。だがここにツーシームを加えることができれば、外角を今まで以上に広く使えるようになる。するとウィニングショットだと自負しているスライダーも今まで以上に活きることとなり、奪三振と併殺打の数を増やすことができるだろう。
岡本投手は決してスタープレイヤーではない。だが今までのように怪我なくプレーをし続け、少しずつ着実に技術を高めていけば、近い将来スタープレイヤーさえも凌ぐ活躍を見せるようになるだろう。岡本投手には、そんな投手へと進化していってもらいたい。先発6番手として仮に10勝挙げるようなことになれば、ライオンズの先発ローテ陣にとってはさながらカンフル剤ともなり得るはずだ。だからこそ来季は開幕ローテ入りを目指し、秋季キャンプ・春季キャンプで最大限のアピールをしてもらいたいと筆者は大きな期待を寄せているのだった。
投手、右投右打
2009年ドラフト6巡目
和歌山県立南部高校〜国士舘大学〜ヤマハ〜埼玉西武ライオンズ
1985年9月27日生、177cm/75kg
岡本洋介投手は2009年のドラフト会議で、埼玉西武ライオンズから6巡目指名を受けた。2009年のドラフトと言えば、渡辺久信監督が6球団の競合から菊池雄星投手との交渉権を引き当てたドラフトだった。その時、西武球団が最後に指名したのが岡本投手だった。岡本投手自身は当然プロ野球を目標にして頑張ってきた選手だ。だが叔父である岡本光投手がドラフト2位指名で巨人入りするも、3勝2敗2Sという成績で、僅か8年でユニフォームを脱いでしまう。ドラフト2位で指名された選手であってもなかなか活躍することができない。そんなプロ野球の厳しい世界を岡本洋介投手はプロ入り前からよく知っていたのだ。
アマチュア時代の岡本投手に目立った功績はない。甲子園にも出場できず、大学は東都の2部、社会人でもヤマハで都市対抗ベスト8が最高だった。それぞれのチームの主戦投手としては素晴らしい活躍を見せていたものの、プロ野球のスカウトが登板日に集結するような結果を見せることはなかった。そんな岡本投手に目を光らせ、西武入りに尽力したのが先の高木浩之スカウトだったというわけだ。他球団は岡本投手に対しほとんど注目をしていなかった。だからこそ西武球団は6巡目での指名が可能となったのだ。つまり岡本投手が考えていたように、決して西武球団の岡本投手への評価が低かったわけではない。6巡目指名は、ドラフト巧者である西武球団のまさにファインプレーだったのだ。
入団3年目までは体もまだプロのものではなく、なかなか結果を残すことができなかった。だが4年目となった2013年今季は、その花が一気に咲き出すことになる。1軍合流当初はモップピッチャーとして投げていた。つまり敗戦処理をするロングリリーバーだ。そこで少しずつ結果を残し続けると、徐々に勝ち試合でも投げさせてもらえるようになり、夏場からはいよいよ先発投手として抜擢されるようになった。レギュラーシーズンでは32試合中6試合で先発登板を果たしている。そして先発としては1勝2敗で防御率は3.68だった。ちなみに今季通算では4勝4敗3.84という成績だった。先発では1勝2敗ではあるが、しかし今季初先発となった8月29日は8回を完投して1失点で敗戦投手になっている。仮に打線が2点取っていれば岡本投手は勝ち投手になることができていた。つまり実際には1勝2敗ではなく、2勝1敗であったと評価して良いことになるだろう。
岡本投手が本当に素晴らしいピッチングを見せてくれたのは10月13日、マリーンズとのCSファーストステージ2回戦だった。何とこの大舞台で岡本投手はプロ初完封勝利を挙げて見せたのだった。試合前、渡辺久信監督は「第二先発投手を準備する」と言っていただけに、これはライオンズにとってはまさに嬉しい大誤算となった。ちなみにこの試合をテレビ解説していたのは伊原春樹新監督だった。岡本投手は来季のローテ入りに向け、知らず知らずのうちに新監督に対し素晴らしいアピールをすることに成功したのだった。
ストレートのアベレージはだいたい140km台前半。それにスライダーとチェンジアップというのが岡本投手の武器だ。しかしもう一つ、右打者の懐に投げられるツーシームを投げられるようになれば、ピッチングがもっと楽になるだろう。今のままでは、10勝という数字はなかなか難しいと思う。恐らく他球団の打者が岡本投手を見慣れてしまうと、勝ち星を先行させることも難しくなるだろう。だがここにツーシームを加えることができれば、外角を今まで以上に広く使えるようになる。するとウィニングショットだと自負しているスライダーも今まで以上に活きることとなり、奪三振と併殺打の数を増やすことができるだろう。
岡本投手は決してスタープレイヤーではない。だが今までのように怪我なくプレーをし続け、少しずつ着実に技術を高めていけば、近い将来スタープレイヤーさえも凌ぐ活躍を見せるようになるだろう。岡本投手には、そんな投手へと進化していってもらいたい。先発6番手として仮に10勝挙げるようなことになれば、ライオンズの先発ローテ陣にとってはさながらカンフル剤ともなり得るはずだ。だからこそ来季は開幕ローテ入りを目指し、秋季キャンプ・春季キャンプで最大限のアピールをしてもらいたいと筆者は大きな期待を寄せているのだった。
投球成績 Pitching Results | ||||||||||||||||||||||||
年 度 | 登 板 | 先 発 | 完 投 | 完 封 | 無 四 球 | 勝 利 | 敗 戦 | セ 礀 ブ | ホ 礀 ル ド | 勝 率 | 打 者 | 投 球 回 | 被 安 打 | 被 本 塁 打 | 与 四 球 | 敬 遠 | 与 死 球 | 奪 三 振 | 暴 投 | ボ 礀 ク | 失 点 | 自 責 点 | 防 御 率 | W H I P |
2010 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .--- | 48 | 9.2 | 15 | 1 | 5 | 0 | 3 | 6 | 3 | 0 | 10 | 9 | 8.38 | 2.08 |
2011 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .--- | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | -.-- | -.-- |
2012 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .000 | 18 | 3 | 7 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 3 | 0 | 5 | 5 | 15.00 | 2.67 |
2013 | 32 | 6 | 1 | 0 | 0 | 4 | 4 | 0 | 6 | .500 | 333 | 77.1 | 83 | 5 | 24 | 0 | 5 | 55 | 3 | 0 | 35 | 33 | 3.84 | 1.45 |
通算 | 43 | 7 | 1 | 0 | 0 | 4 | 5 | 0 | 5 | .444 | 399 | 90 | 105 | 6 | 30 | 0 | 9 | 62 | 9 | 0 | 50 | 47 | 4.70 | 1.60 |