これもアベノミクスのおかげなのか、有効求人倍率も上昇気味だという。厚生労働省は、「企業の中には景気回復を期待して、求人を増やしているところもある。今後、さらに増えていくことを期待している」とコメントしている。

 しかし、その頼りにすべきハローワークの実態は、完全に“ブラック化”しているようなのだ。
 「求人倍率上昇のからくりは『カラ求人』ですよ。ハローワーク職員は公務員だから、クビにできない余剰人員を抱えている。これを“求人開拓員”に仕立て上げ、地元企業を回らせて『無料だから』と、求人する気もない企業に求人を勧めているのです」(地方紙社会部記者)

 仕事を選ばなければ、再就職口はいくらでもあるといわれるが、これも実態とかい離している。
 「よく、介護職の人材が足りないといわれます。相談窓口に行くと必ず『資格ある?』と質問されますが、中年男性ではヘルパーの資格を持っていても需要はありません」(中年求職者)

 さらに、流行りの“ブラック企業”も求人に紛れ込んでいるという話もある。厚労省職業安定局では、こうした“違法行為”が判明した場合、適宜ハローワークから指導が行くと説明しているが、罰則規定はない。同局のスタンスは、おおむね「ハローワークに求人を出す企業は、人を採用したいからという以外に理由はないのでは。応募する側の問題もあるのではないか」というものだ。
 実際に就職が成立した「充足率」は、今年1月の実数では17.6%と、採用した会社は4〜5社に1社という状況だ。にもかかわらず、厚労省は求職者側の問題との認識なのである。

 生活保護者が一向に減らないわけだ。