今年2月に膝蓋腱断裂の重傷を負ったロナウドが、リハビリ中のリオデジャネイロでフランスのレキップ紙のインタビューを受けた。19日付の同紙に掲載されている。

 6月にACミランとの契約が切れ、現在どのクラブにも所属していないロナウドの目標は、「2〜3ヶ月以内の実戦復帰」。問題はどこでプレーするかだ。ケガ再発のおそれ、体重の増加、32歳という年齢。これだけの不安材料を抱える選手に、推定600万ユーロ(約9億1600万円)といわれる高額の年俸を払うリスクは、どのクラブもなかなか冒せそうにない。

 ロナウドはそれを承知のうえで“意中”のクラブを2つ挙げた。ひとつはすでに報じられているマンチェスター・シティ。UAEの投資グループADUGが経営権を獲得した世界一リッチなクラブ。つい先日、プレミア史上最高といわれる推定3250万ポンド(約63億円)の移籍金でロビーニョを獲得したばかりだ。

 もうひとつはパリ・サンジェルマン(PSG)。フランスでリヨンに次ぐ資金い恵まれたクラブで、会長交代とともに大幅に予算を引き上げた今季は、マケレレ、ジュリ、ケジュマンといったスター選手を相次いで獲得した。

 ロナウドはPSGについて、「素晴らしいプロジェクトを立てつつある。いい選手を補強して、タイトルを狙えるチームを作り上げた」と評価している。2度にわたって膝の手術を受けたパリ(執刀医はPSGのチームドクター)には強い愛着をもっているようで、「アパートももっているし、大好きな街だ」と語っている。フランスの読者に対するリップサービスにも聞こえるが、PSG経営陣にとっては聞き流せない発言だ。マーケティング効果も大きいロナウド獲得の可能性を真剣に検討することになるだろう。今回レキップ紙の“独占”インタビューを受けたのも、ロナウドの“営業戦略”なのかも知れない。