"ネクストジダン"ナスリにとって忘れられない一日に<br>【photo by B.O.S.】

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 フランス代表は6日、ユーロ2008予選のグルジア戦(ホーム)に1―0で勝ち、B組首位のポジションを固めた。ボールの支配率64%と圧倒的な優位で試合を進めたが、防戦一方のグルジアを相手に、結果的には最少得点による辛勝。終盤にはゴール前での連係ミスでヒヤリとさせられる場面もあった。

 前半はリベリ、ナスリを中心とするスムーズな波状攻撃をしかけたフランス。攻撃パターンにバリエーションがあり、期待を抱かせたが、リベリのパスをナスリがダイレクトに蹴り込んだ前半33分の1点どまり。後半に入ってからは顕著に勢いが下がった。

 翌日のメディアは一様に辛い評価。シーズン最後の試合ということで、レキップ紙は「一息入れて出直すとき」という見出しを掲げた。同紙は「あと1点か2点はとれた」と物足りなさを指摘したが、唯一のゴールをあげたナスリには賞賛を惜しまなかった。代表3試合目で初ゴール。司令塔の役目を十分に果たしただけでなく、この試合最多の7本のシュートを放った19歳を、「すっかり代表の顔になった」と称えている。

 初ゴールを記録したナスリは「この一戦は生涯忘れることがないだろう。しかし何より大切なのはチーム。グルジアには十分にプレーをさせてもらえなかった。ゴール前30メートルでスペースをつくり出せなかった。自分の働きについて? 僕はつねに満足することがないんだ。自分の仕事はできたが、もっとやれたと思う」と手放しでは喜んでいない。このあたりが、選手や指導者にも、さらにはメディアやファンにも信頼と期待を抱かせるところなのだろう。