村田諒太【写真:Getty Images】

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スーパーミドル級王座挑戦のカネロの今後に米メディアが厳しい指摘

 ボクシングのWBA世界ミドル級王者・村田諒太(帝拳)が米ラスベガスで同級2位ロブ・ブラント(米国)と2度目の防衛戦(日本時間21日午前11時、DAZN独占生中継)に挑む。次戦以降の相手候補に挙がるWBA、WBC世界同級スーパー王者のカネロこと、サウル・アルバレス(メキシコ)は12月にWBA世界スーパーミドル級王者ロッキー・フィールディング(英国)と対戦し、3階級制覇を目指すが、米メディアは「ゴロフキン、チャーロ、ムラタら獅子の待つミドル級に戻って来ればキャリアの下降線を辿る」と指摘している。

「カネロはフィールディング戦の圧倒的な本命」と特集したのは、米専門メディア「ボクシングニュース24」だった。

 マディソン・スクエア・ガーデンでフィールディング戦を迎えることを発表したカネロ。9月15日に判定勝ちを収めたゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との2度目の世界戦がミドル級の見納めとなるかもしれない。特集では「フィールディング戦がうまくいけば、彼が168ポンド(スーパーミドル級)にとどまる可能性が大いにある」と指摘している。

 ゴロフキン、WBC暫定世界王者ジャーモール・チャーロ(米国)ら文句なしの実力者揃いのミドル級で、メキシコで絶大な人気を誇るカネロとのマッチアップはファン期待の一戦が目白押しになりそうだが、ボクシングファンの期待通りにはならないという。

「ミドル級で名勝負の数々が待っているため、カネロが168ポンドにとどまるとボクシングファンが考えるのは困難だ。ボクシングの頂点でのキャリアを伸ばそうとするため、さらなる昇級をすることになるだろう」とした上で、カネロのキャリアを脅かす7人のファイターを挙げ、その一人に日本が誇る名前を記した。

GGG、チャーロ、村田ら「ミドル級7人の獅子」との対戦は実現しないのか

「もし、ジャーモール・チャーロ、(まともなジャッジがいることが前提だが)ゴロフキン、ダニエル・ジェイコブス、デメトリアス・アンドラーデ、ビリー・ジョー・サンダース、リョウタ・ムラタ、セルゲイ・デレビャンチェンコという獅子たちと対戦するために160ポンドに復帰することは急激な凋落の始まりとなる」

 ゴロフキン戦の判定勝ちは疑惑のジャッジも指摘されているカネロだけに、ミドル級で強い王者と対戦するより、スーパーミドル級にいったんとどまり、さらにに上の階級を目指す可能性が高いというのだ。

「ゴロフキン戦の物議を醸すカネロの戦いぶりで、パウンド・フォー・パウンドのファイターとして真剣に評価することは困難になった。カネロはネバダ州の審判の好意的なジャッジのおかげで接戦を勝利した疑惑を払拭する必要がある。次戦ネバダを離れ、ニューヨークで戦うカネロを評価することはできない。なぜなら、スーパーミドル級最弱と思われる王者と対戦するからだ」

 3月にドーピングで陽性反応を検出していたカネロ。ゴロフキン戦の疑惑の勝利に加え、“最弱王者”フィールディングを次戦に選んだことで、パウンド・フォー・パウンドに選出されるべき資質に特集では疑問の投げかけている。7人の獅子との対戦を避け、タイトル防衛を重ねるのか。村田との対戦は実現しないのか。カネロには厳しい視線が向けられている。(THE ANSWER編集部)