あなたにとっては生涯我慢できる範囲内の不誠実さなのですか?(写真:しげぱぱ / PIXTA)

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大事な話になると逃げの一手。結婚以来、夫との会話が成立せず違和感がありました。その理由が半年前に判明しました。夫には20年前から多額の借金があり、それを隠しての結婚だったのです。独身時代に異常な物欲を満たし続けて作った借金で、一度親に清算してもらったにもかかわらず、カード利用で多重債務に陥っていました。
話の食い違いは、彼が多額の借金を隠したことが原因で、私たちの結婚生活の大半が、そのウソの上に成り立っていたのは大きなショックです。結婚したかったから借金を隠したようですが、おカネがなくても欲しいモノは買っていました。現在、夫は自営業をやっておりますが、業績不振でほぼ無収入。アルバイトを始めましたが、すべて借金返済に充てられています。
そのため、私と子どもは実家で貯金を取り崩して生活しています。夫は「借金返済に必死で、詫びに行くのは嫌」と言っております。「仕事を探すつもり。あいさつに行ける状態ではない」と、借金発覚後は一度も私の実家に来ておりません。
限界を感じ離婚の意思を伝えると、「離婚したくないが、拒否する資格がない」と、応じる姿勢を見せました。私の考え一つで離婚が決まるようです。私は現在無職で離婚するとなれば仕事探しから始めねばなりませんし、発達障害の小さい子どもがいるので、とても苦しい選択です。彼は横暴なわけではありませんし、離婚は焦りすぎでしょうか。
(仮名:黒田)

「結婚したかったから隠した」は、立派な詐欺

焦りすぎではありません。これは即離婚のケースだと思います。彼は横暴ではないとあなたは言いますが、横暴に匹敵する横着者です。うそのつき方とその後の彼の行動を見れば、夫婦を続けるか否かの決定権があなたにあるのは当然です。


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問題は、彼の物欲以上に、そんな大うそを隠して結婚“できた”彼の人間性です。うそ発覚後の態度も同じですが誠意の欠片もなく、これは余程のことがないかぎり治る見込みがない、病に近い性格です。

あなたが彼の性格を治す自信があるか、あなたにとっては生涯我慢できる範囲内の不誠実さなのでしたら話は別ですが、そうでないなら錯覚から早く目覚めるべきです。

悪意のなかったうそを含めて、100%うそのない結婚などないかもしれません。しかし結婚前に絶対隠してはいけないことがあります。彼は結婚前にあなたに借金額を示し、返済計画を説明し、あなたに納得してもらう努力をするのが最低限の誠意でした。

「あなたと結婚したかったから隠した」は、立派な詐欺です。健全な結婚生活への計画や責任が皆無です。それがそのまま借金発覚後の彼の行動に出ているのですから、重症です。あなたは彼が横暴でないからと躊躇していますが別の意味で横暴で、彼と縁切りするのに何の自責の念もいりません。

借金を返済してから結婚するのが相手への誠意

借金が少額でも、きれいに返済してから結婚するのが結婚相手への誠意です。法的には問題がなくとも結婚した途端、伴侶を無責任な債務者の妻にするなど、一人前の大人のすることではありません。まして返済できない可能性が高く、いずれバレて道連れにするしかない多額な借金を隠して結婚するなど、あなたを大切に思っていたならできないことです。

誤解のないように申し添えますが、借金のある者は結婚するなと言っているのではありません。結婚前に作った借金を、結婚後、夫婦で返済するケースはいくらでもあります。それは夫婦の間に、愛情や信頼があるからできるのです。

ですから結婚前に彼に多額の借金があったこと自体を、大きな問題にしているのではありません。100歩譲って彼は、借金はあなたに秘密にしたまま解決するつもりだったかもしれません。それでも発覚した後の彼の行動は未熟で無責任すぎます。

離婚されないよう努力し、誠意を見せるべきときに、「忙しい」とか「嫌だ」「あいさつに行ける状態ではない」という理由で半年も、あなた方の元に一度も帰らないなんてことは、反省をしていないどころか、不誠実の極みです。障害のある幼な子とあなたへの愛情と責任感が見えません。

「離婚は嫌だが、拒否する資格がない」などと、どの口が言っているのかと問いたいです。この期に及んで資格を持ち出すなど、ボールをあなたに丸投げしていて、輪をかけて卑怯です。あわよくばあなたの優柔不断さに期待をかけ、またはどう行動すべきかの判断さえできない人が言っているのです。これが横暴でなくて、何が横暴ですか? こんな人に人生を預けることに、不安を感じませんか?

結婚は二人だけの問題ではなく、社会的にも責任を負い、人生の山も谷も嵐も共に乗り越える覚悟と責任を伴っているのです。余程の事情がないかぎり乗り越える努力をすべきです。つまり私はパートナーに背信行為などがあれば、何が何でも即離婚だと言うものではありません。

失敗は誰でもします。それにどれだけ真摯に反省し教訓にするかで、その人の人格が決まると言われます。私はうそ発覚後の彼の行動に、彼が持つ無責任で幼稚な人間性を見ました。それはあなたにも言えることです。あなたにとって彼との離縁がまだ苦しい選択なら、あなたはまだ彼の道連れになることを望んでいるのと同じで、悩んでいるだけでしたら、何の教訓も得ていない人と同じです。

「離婚は子どものためには苦しい選択」と言われますが、子どものためにこそあなたに、彼にかかずらっている時間はないのです。

二人で過ごした良い時代はあったのか

あなたには、夫の背信と不誠実さを乗り越えるだけの、“二人で過ごした良い時代”があったでしょうか。私の知人に、10億円をギャンブルにつぎ込み、破産した者がいます。プール付きの大豪邸から狭いアパートに引っ越しました。ギャンブル破産を家族への裏切りと取る人もいますが、大抵は人間性も壊れているものです。

この知人の妻は、「夫はギャンブルにはおぼれたが、家族を裏切ろうとしたわけではない」と言います。順境のときは夫人やその両親を本当に大切にした人でしたので、「こんなときに私が夫を見捨てたら、私が鬼になる」と夫人に言わしめ、彼女はそれ以外のことは一切話さず、潔いほど献身的に夫に寄り添っています。

黒田様の場合、このような、今後の支えになるほどの良い夫婦の歴史がありましたか。これからの困難も共に乗り越えられるほど、魂で結ばれ絆を育みましたか。彼は子どもだけでも大切にする人か、子どもが慕う父親になれそうですか。その全部に目をつぶって経済的に支えてさえくれれば、夫婦を続けられますか。また彼にその可能性はありますか。本当に養育費も入れられないほど、今彼は借金を返済しているでしょうか。何よりもあの虚言癖と“糠にクギ戦法”、謝るべきときに謝れない人柄に、これからも同伴する覚悟はありますか。

これらを考えたうえで、それでもあなたがまだ逡巡されるのでしたら、離婚の決断は「焦りすぎ」かもしれません。しかしこれらを考えたうえで答えがノーであれば、離婚して悪縁を断たれることをお勧めいたします。

私はバツイチという言葉が嫌いです。離婚に伴う痛みや周囲の人たちにかけた迷惑などに無神経なニュアンスを感じます。しかし、不誠実極まりない無責任な人間とは、離婚なさっても、焦りすぎでも卑怯でも何でもありません。ご自身の人生を大切になさってください。