【極秘】ドラクエ漫画の最高峰「ダイの大冒険」の知られざる噂と秘密10選 / 「作中の時間はわずか3ヶ月」「幻の魔界編」

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「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて(ドラクエ11)」が空前の大ヒットとなっている昨今。ファミコンの頃からドラクエに夢中になっていた世代から、ドラクエ11で初めてドラクエをプレイした小学生まで、多くの人がドラクエ11に夢中になっています。皆さんはもうすでにプレイしましたでしょうか?

ドラクエ漫画の最高峰



そんなドラゴンクエストをモチーフにした漫画作品は今までにたくさん発表されてきましたが、やはりファミコン世代の記者にしてみれば、ドラクエのギャグ漫画ならドラクエ4コマ、王道のストーリー漫画なら「DRAGON QUEST -ダイの大冒険-」こそが最強にして最高峰なのです。

未だに高い評価を受ける作品



ダイの大冒険はジャンプ黄金世代の作品であり、当時はあまりにも名作マンガが多すぎたため、他の作品に埋もれている感もありました。しかし連載終了から20年以上が経ちましたが、ダイの大冒険を超えるドラクエ漫画がなかなか生まれません。バスケ漫画の最高峰がスラムダンクであるように、ドラクエ漫画の最高峰としてダイの大冒険は輝き続けているのです。



ダイの大冒険の知られざる噂と秘密



今回はそんなダイの大冒険の知られざる秘密をお届け。この機会に作品を読み返したり、情報をまとめているうちに何度も涙が溢れてきてしまいました。きっと皆さんもダイの大冒険が読みたくなることでしょう。

1. 10話で打ち切りになることを想定していた

ダイの大冒険は10話で打ち切りになることを想定し、ダイとポップの旅立ちが10話になることを決めて連載がスタートとなりました。

ダイの大冒険の連載が始まったのはジャンプ黄金期。その中、読者アンケートで好成績を収めるのは至難の業だと考えるのは当然のことだったのでしょう。そんな予想に反してダイの大冒険は無事にアンケートで好成績を収め、10話目は最終話どころか巻頭カラーを飾ることになったのでした。

2. ポップの成長を描く物語

ダイの大冒険では最初は役立たずだった魔法使いの「ポップ」が成長していく過程が細かく描かれていて、何度も読者の感動を誘いますよね。これは作品が進んでいく中で自然とそうなっていったのではなく、最初からポップの成長を描くつもりでストーリーが作り込まれていたのです。作者陣はポップを主役級の存在だと最初から考えていたのですね。

3. ポップは編集者に殺されそうだった

先述の通りポップの成長がダイの大冒険の見どころでしたが、序盤はただの役立たずに過ぎず、担当の編集者から何度も「こいついらないから早く殺しちゃえよ」と指示されていたそうです。しかし原作者の三条陸さんは必死にポップを庇い、編集者を説得し続けたのだそうです。

もし、しっかりストーリーの構想ができていなかったり、ダイの大冒険のアンケート結果がイマイチだったりしたら、ポップは早い段階で死んでしまっていたかもしれません。

4. 大魔王討伐後の構想も練られていた

ダイの大冒険は大魔王バーンを討伐したところで完結しますが、作中でいくつも明らかにされていない要素があり、それらを伏線にした「魔界編」の構想が練られていたそうです。しかし、作画を担当していた稲田浩司さんの体力が限界を迎えていたため、続編を作ることなく大魔王討伐をもって完結となりました。

また、原作者の三条さんは続編について「今の世相に合わせて当時の物語構成を変えることだけはしない」と話し、描く可能性については否定していません。しっかり練られた構想が存在するのなら、いつかぜひ続編も読んでみたいですね。

5. いくつもの技が逆輸入されている

ダイの大冒険で登場したオリジナルの技「メドローア」「大地斬」「ギガブレイク」など、いくつもの技や呪文がドラゴンクエストのゲームで採用されています。近年発表されたドラクエからプレイを始めた人には驚きの事実になるのではないでしょうか。



6. クロコダインは30歳前後

派手なやられっぷりや終盤での噛ませ犬っぷりが注目されるクロコダイン。ポップからはおっさんと呼ばれていることもあり、結構な年齢なのかと思いきや、実は30歳前後という設定なのです。ちなみにアバンの年齢は31歳。アバンとほぼ同年代ということになります。

7. ハドラーの命名の理由

かつての魔王であったハドラーは、ギリシャ神話に登場する怪物ヒュドラー(hydra)から命名されました。ところが、連載中の1993年にプロ野球のヤクルトスワローズにハドラーという助っ人外国人が入団してちょっとした話題に。命名した三条さんは「本当にこんな名前の人がいるのか」と衝撃を受けたそうです。

8. テレビアニメは急きょ打ち切りになった

ダイの大冒険はテレビアニメも放送され、一定の人気を誇っていたため1年で終わらずに放送延長することで一旦決まっていました。

ところが急きょTBSの番組編成の都合で打ち切りが決まり、ストーリーが非常に中途半端な状態で終わってしまったのです。そのため、アニメが続行する前提で作られたアニメ未登場キャラの玩具が発売されるなどといった弊害も起こってしまいました。

9. 海外では「フライの大冒険」

ダイの大冒険は海外でも人気がありましたが、ダイという言葉は死(die)を連想させる言葉だとして、名前をダイではなく「FLY(フライ)」に変更させられています。タイ、香港、台湾、韓国、マレーシア、スペインなどでは「フライの大冒険」になるのです。

10. わずか3ヶ月の物語

ダイの大冒険は約7年に渡って連載され、ジャンプコミックスは全37巻というボリュームがありますが、実は作中で3ヶ月しか経過していません(読切作品を含まず)。アバンがダイの師匠となってからわずか3ヶ月で大魔王バーンを討伐してしまうのですから、それぞれが凄まじいスピードで成長をしたことになります。



世代を超えて親しめる作品



ダイの大冒険のストーリーは王道のジャンプ漫画であり、「友情・努力・勝利」や人間の成長などが見事に描かれています。もしドラクエ11でドラクエの世界観に夢中になったお子様がいたら、ぜひ読ませたい作品ですね。クロコダインのやられっぷりはちょっと描写が残酷ですけど(笑)。

■執筆・監修:Mr. Fox

執筆、撮影、編集家。日本生まれ、生年不詳、トレードマークはキツネの顔。世界各国を回りながら、メディアに関わる仕事をしてます。人のアイデアを転がします! コンコン。https://twitter.com/im_mr_fox/