ベンチで笑顔が増えてきた高橋由伸監督(右)

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 4連勝中の巨人はヤクルトとの九州シリーズを終え、ライバル球団との対戦もひと回りした。10勝6敗で2位と好位置につけ、就任2年目を迎えた高橋由伸監督(42)にとってはおおむね順調な船出となった。好調の要因は意外なところにもあるようで、チーム内では感情を解放した指揮官の“変身ぶり”が大ウケだ。

 一時は5連敗を喫して底なし沼にハマりかけたが、投手陣が22年ぶりに3試合連続完封を飾り、絶好調の阿部が3戦連続で決勝点を挙げるなどチームは上昇気流に乗ってきた。ただ、好調の要因は選手ばかりでなく由伸監督にもあるという。チームスタッフが明かす。

「ベンチの雰囲気はとてもいい。昨年が暗かったわけではないけど、何より監督が試合中も別人のように明るくなった。喜怒哀楽をストレートに表に出すし、ジェスチャーも大きい。素に近い状態じゃないか。選手を鼓舞するために大きな声も出すようになった。これも昨年はほとんどなかったこと。今は『さあ、いこう!』とか『しっかり粘れよ!』とか、よく声をかけてベンチから送り出している」

 就任1年目の昨季は相手ベンチに読み取られまいと、あらゆる感情をあえて押し殺し、表情を変えることもほとんどなかった。鉄仮面を決め込む指揮官を不気味がるナインもいたが、監督としてある程度の余裕が生まれた今季は見違えるように表情も豊かだ。

 実際に前夜の試合でも初回に右胸に打球が直撃して痛がる高木勇の姿に苦笑いし、その後の犠打失敗で負傷降板を余儀なくされるとみるみる仏頂面に。さらに僅差で迎えた終盤のビッグチャンスで来日初打席に立った守護神カミネロが大振りするとベンチで大笑いしていた。

 20日は鹿児島空港から帰京の途に就く間も、由伸監督は終始リラックスモード。出発前の搭乗ゲートでは、約40分間も気さくに報道陣の取材に応じた。21日からの本拠地での阪神3連戦に向けて「ここ数試合は投手が頑張ったから、打者も頑張らないとね」と打線の奮起を促したかと思えば、報道陣も困惑するほどマニアックな“アマ球界情報”を披露するなど、雑談の内容も多岐にわたった。

 ナインの間でも「新化」した由伸監督は大好評で、野手の一人は「監督がベンチでもチームを盛り上げようとしているのは感じています。だから僕らはもっと頑張らないといけない」と意気込んでいる。