電撃文庫の人気ライトノベル『撲殺天使ドクロちゃん』のキャラクターデザイン・挿絵・イラストレーションなどを手がけたことで知られる、イラストレーターのとりしも氏が先月20日、急逝していたことが分かった。鉄道・放送系同人コピー誌個人サークル「県央高速交通」の情報を公開する「県央高速交通雑記帳代理店」が訃報を伝え、ねとらぼなどが報じた。葬儀、通夜などは既に行われているという。

 なお、本名、年齢は非公開であるため、享年も不明である。

 『撲殺天使ドクロちゃん』は、初巻刊行が2003年。「天使の姿をした可愛らしい女の子が、凶悪な棘のついた金属バットで主人公の少年を撲殺しては魔法で生き返らせ、撲殺しては魔法生き返らせを繰り返す」というシュールギャグ小説であった。

 全11巻を刊行したほか、水島努監督によるアニメが2期に渡って制作され、コミックス化、ゲーム化もされている。

 その「可愛らしい女の子」のデザインを担当したのが、亡くなったとりしも氏である。その人柄について、筆者が唯一知っていることをここに記すと、『撲殺天使ドクロちゃん』著者であるおかゆまさき氏は、とりしも氏は単に作画を担当しているだけのみならず、自身にとって貴重な相談役として話を聞いてくれる存在であった、と、最後の共作作品となった『森口織人の陰陽道』のコラムの中で語っている。

 作品履歴を確認する限り、とりしも氏の最後の作品となったのは、PC用ゲームソフト『萌え萌え大戦争☆げんだいばーん』のイラストレーション共作への参加であったらしい。去年末のコミケには参加していたとのことだが、その他同人誌での活動、別名義での活動などについては、筆者の調査能力が及ばない。

 『撲殺天使ドクロちゃん』の復活、続編には一ファンとしてずっと期待しているのだが、もしそれが成ったとしても、もはやとりしも氏のイラストは拝見できないと思うと、残念でならない。

 心より、とりしも先生のご冥福をお祈り申し上げたい。