平日の夕方、自宅で原稿を書いていたら、ドアのチャイムが鳴った。宅配品関連は午前中に届くのがほとんどで、夕方にチャイムが鳴るのは珍しい。慌ててドアを開けると、かっぷくのいい男性が、腰のあたりから金色の紋章が入った身分証明書をチラつかせた。 「警察のものですが」 確かに身分証明書には警察章が入っていた。 「技適マークの付いていないデバイスから電波でも出ていたのか。申請はしたはず