ハンバーグかステーキ、どっちが正解? 管理栄養士に聞いた「外食続きでも健康になる」方法6

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長いこと外食が続くと、カラダに悪いことをしているような気がして心配になる人も多いのでは?

「コンビニ食」でも健康になる方法

しかし、これまで病院や企業などで1万8000件以上の栄養相談を実施してきた管理栄養士・浅野まみこ先生によると、1日3食が外食でも健康は保てるとのこと。

自分のカラダをきちんとコントロールするコツやノウハウを押さえれば、好きなものを食べながらカラダを健康に保つという、理想的な毎日を過ごせるのです。

では、外食を楽しみながら無理なく健康を維持できる方法とは? 浅野先生に聞いたポイントをご紹介します。

■1: 実は穴場!? 「居酒屋ランチ」で安く鮮魚を食べよう

最近は、昼間もランチ営業している居酒屋さんが多く見られます。
仕入れで魚一匹を仕入れているようなところでは、アラの部分や刺身の端などをランチメニューに回していることが多く、鮮魚店の賄い食のような伝統的な魚メニューを食べることができます。

さらに定食なら野菜などのバランスもとれ、理想的な一食となります。手間のかかる魚料理を手軽に、安く食べられる居酒屋の昼メニューは、外食ならではのおすすめメニューといえます。

■2: 「中華料理」の油でもバランス良く食べられる!?

油をたっぷり使っている中華料理で健康的な食事をするのは、結構難しいテーマといえます。油をしっかりと吸収した野菜は、“いくら食べても大丈夫”とは言いにくいのです。

それでも前菜をしっかりとることで、中華料理でもバランスの良い食事ができます。

おすすめは「くらげの冷製」「蒸し鶏」「ピータン」「干し豆腐」といったおなじみのメニューばかり。蒸し鶏は鶏の皮を残して動物性脂肪を減らしましょう。
前菜に出てくることの多い白髪ねぎや細切りのしょうがなどの薬味は、体温を上げて代謝をアップさせるのにとても良いので、しっかり食べるようにしましょう。

■3: 小腹を満たすなら「回転寿司」で、n-3系の良質な油をとる

昼ご飯を食べそこなった夕方や、外回りをして活動量が多くお腹が空いてきた夕方には、我慢をして食べないより、まずは食べてしまうという選択もあり。
外出先であれば、回転寿司で握り寿司を2〜3皿つまむというのがおすすめです。

マグロやサンマ、イワシ、サバなどは動物性のn-3系の油が大量に含まれています。枚数が少ないと感じるかもしれませんが、濃いめのお茶を飲んでお腹を落ち着かせ、ガリをつまんだりみそ汁を頼んだりして小腹を満たすのがコツです。

青魚だけでなく、タコやイカ、貝類も脂肪が少なく歯ごたえがよい良質なたんぱく質です。

■4: 「ファミレス」ではハンバーグよりステーキを選ぶ

ファミレスでの定番人気といえば、みんな大好きハンバーグ。
しかし、ハンバーグは脂肪の多いひき肉をまとめて焼いたもの。繊維がバラバラにされて分けられない形で脂肪が混ぜられています。

同じ肉でも頼みたいのはかたまりの肉をシンプルに焼いたもの。牛肉のステーキ、ポークソテー、チキングリルなどは、脂肪の部分を切り分けて食べることも容易です。こうしたステーキには、パンよりごはんを合わせ、さらに量が多めのサラダを頼みましょう。

■5: 「お子様メニュー」は野菜不足に要注意

ファミレスでお子さまランチなどの子供向けメニューを頼んだ経験がある人は分かると思いますが、野菜がほぼないということが多いです。

そんな時には、サラダを1品頼んだり煮物などが入っている和食を頼んであげたりするとバランスを取りやすいです。

メニューに定食スタイルのものがある場合には、いろんな食感や味を楽しむことができ食育としても大事なので、選んであげられるようにしましょう。

■6: 種類豊富な外食メニュー、お店やメニュー選びでバランスを

ファミリーレストランをはじめ、サラダやメイン、副菜に至るまで、充実したラインナップを誇る外食メニュー。
最近では、メニューにカロリーやアレルギーが表示された健康情報が多く、しっかり見ているととても参考になります。

サラダも葉物野菜だけでなく、緑黄色野菜や根菜の比重が高いサラダメニューが多いのも注目したい点です。緑黄色野菜と良質オイルの宝庫ともいえるイタリア料理もおすすめ。

コツを掴んで利用できるようになると、体調や期待する効果に合わせてお店やメニューを選ぶことも楽しくなってくるはずです。

■食事を選ぶチカラ“食選力”を身につけて

いかがでしたか? すぐ実践できそうなものばかりですね。

最後に、浅野先生からメッセージをいただきました。
外食や中食で食べることは、バランスが崩れがちと心配したり、手抜きだと罪悪感を覚えたりする方もいらっしゃいますが、今の時代、ビジネスマンだけでなくパパもママも忙しいです。
手作りだけをがんばってしてもパーフェクトになるとは限りません。ぜひ、上手に活用されるとよいと思います。
外食は、普段食べない味や素材を経験する場にもなりますし、自宅との味の比較にもなります。(外食は基本味が濃いので、外で食べてちょっと味が濃いなと思うぐらいの舌が大切です。)
お店の選び方では、野菜もたっぷり摂れるお店もあります。ぜひ、食事を選ぶチカラ“食選力”を身につけて、外食・中食を上手に利用してください。わからないことは、ぜひ管理栄養士を頼ってくださいね。」

より詳しく分かりやすく書かれている浅野先生の著書、『「コンビニ食・外食」で健康になる方法』も参考にしてみてください。


■浅野まみこ(管理栄養士 健康運動指導士・株式会社エビータ代表取締役)
総合病院、女性クリニック、企業カウンセリングにて1万8千人以上の栄養相談を実施。その経験を生かし、企業のコンサルティング、レシピ開発など多方面で活躍。年間100時間以上の講演を行い全国を飛び回っている。
NHKおはよう日本、日本テレビ「ヒルナンデス」ほか多数出演。新著に「やせられないのは、夕方の空腹が原因だった」(青春出版社)「コンビニ食・外食」で健康になる方法」(草思社)。