ネイトの右ジャブにベンヘンの対抗手段は
![ライト級最高峰の戦いは、近距離での打ち合い、寝技の削り合い同様に、序盤の距離の取りかたが非常に楽しみな一戦だ (C) GONGKAKUTOGI](https://image.news.livedoor.com/newsimage/8/e/8e336fc44226be1401e7e423f36472f9-m.jpg)
この3年間、フランク・エドガーを軸にBJ・ペンとグレイ・メイナード、そしてベン・ヘンの4人しか絡んでいなかったライト級最高峰の戦いで、久しぶりに見られるフレッシュな顔合わせといえる。
一方、レスリング・ベースで今も道着を着たブラジリアン柔術のトーナメントへ定期的に出場しているベン・ヘンは、蹴りという要素を加えても、よりオールラウンダー化が進んでいる。寝技になっても、ネイトの仕掛けを十分に防御する力を持っており、パウンドとポジショニングの連係から、ギロチンという一発も持っている。さらにいえば、ケージレスリングでもネイトを上回っているだろう。
ただし、その密着した状態になるまでのネイトは難攻不落だ。長いリーチを生かした右ジャブから左ストレートとボディフックは強力そのもの。最近ではその接近戦に持ち込んでヒザ蹴りで相手を消耗させるという武器も手にしている。とにかく、あの五味隆典に対し距離を取ることなく打ち勝ったボクシングの強さは絶対だ。
兄ニックよりも、セオリーに近く中間距離でも強さを発揮するネイトに対し、ローやミドルの精度が上がってきた王者ベン・ヘンがどのような初弾を見せるか。エドガー戦で有効だった左ミドルは、サウスポー同士の対戦では主武器にならない。そして、ネイトもまたギロチン系のチョークに絶対の自信を持っているので、うかつにテイクダウンを仕掛けることもままならない。ベン・ヘンのネイトの右ジャブへの対抗手段が何になるのか。打ち合い上等の両者だが、王者が右ローの精度を高め、威力が増していれば、非常に面白い間合い勝負も見られるだろう。
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