代表の新監督について、先週から大きな進展はないようだね。当初の予定よりも決定の時期がずれ込む可能性もあるという。焦って決める必要はないし、パラグアイとの親善試合は代行監督でやってもいいと思うね。そもそも監督の意向で決まった強化試合ではないからね。

ここで改めて言っておきたいのは、現在日本代表に関して、監督が誰になるかということばかり報道されているが、これでは4年前と同じではないのかということだ。つまり、W杯が終わってから、反省も検証もせずに、すぐに新しい話題に切り替える。当時は川淵キャプテンの三文芝居で世の中がオシム、オシムとなった。今回も形は違えどやってることは同じだよね。まったく進歩していない。
岡田前監督の精算はきちんとやっているのかな。たとえば、五輪代表も兼任していたはずだけど、五輪チームはどうなっちゃったの? トップがすうっといなくなっちゃったわけだから、強化も何もないよね。

これらは協会内部だけの問題ではなくて、メディアの側にも責任があるよね。大衆に迎合するばかりでなく、突っ込まなければならないところにはきちんと突っ込むべきだよ。日本代表応援新聞、応援雑誌ばかりで、健全な状態とは言えないね。やっぱり強い国は、メディアからの強烈なプレッシャーを受けながらやっているわけだから、その違いは大きいよ。

いずれにしろ、もっとも重視すべき問題は「強化」だと思う。新監督どうこうではなくて、サッカー協会としてどのように日本のサッカーを強化していくかだ。
仮に、優れた選手の出現を一つのゴールに例えてみよう。南米やヨーロッパの強豪は、次から次にゴールを決める。1試合に5点、6点入れるのは当たり前という雰囲気だ。翻って日本は、なかなかゴールを決められない。
決めるためにはどうしたらいいか。チャンスの数を増やすしかないよね。つまり選手の強化、有力選手の出現というのは、確率の問題だと思うんだ。
外国に比べてフィジカル的にハンデがある、なんていうのは使い古された嘘で、世界チャンピオンになったスペインがそんなものはナンセンスだということを証明してくれた。

日本は、チャンスの数でも強豪国に劣っているんだ。そこにはいろいろな問題がある。たとえば、部活の補欠。優れた才能を持っているかもしれない子どもたちが、試合に出ないでベンチに座らざるをえない。もっとプレーする場を増やしてあげなければいけないが、そこには協会の選手登録の問題も絡んでくる。

そういった一つ一つに目を向けて、強化のために改革をしていく。まるでクーデターのように政権を交代させたのだから、新会長にはそれぐらいのことをやってもらいたいね。(了)