先日、任期満了に伴って退任するJリーグの鬼武チェアマンに代わり、鹿島の社長である大東和美氏が新チェアマンに選任されたと発表された。早稲田大出身のラガーマンで、日本代表としても6キャップあり、住友金属一筋で来た人物だ。

トップの交代でJリーグ組織の体制が変わることを期待したいが、そうはならないだろうね。そもそも、新チェアマンの決まり方からして、Jリーグの体質がよく表れている。つまり、すべて密室で決められるということだ。

今のJリーグは、決して健全な状態ではない。中央=Jリーグが黒字である一方、東京ヴェルディしかり、今にも潰れそうなクラブは一つや二つじゃない。どん底のクラブが増えているということは、Jリーグの責任問題だと思うのだけど、自分たちは黒字であるから、それでよしとしてしまっている。W杯の盛り上がりで、問題点がぼやかされ、メディアもそこを追求しようとしない。

分配金だけでは生きていけないクラブの存在を、どう捉えているのか。親企業中心の現状を、どう考えているのか。地域密着の理念が未完成のまま突っ走り、第二の横浜フリューゲルスが今にも生まれそうな状態をどう思っているのか。

それらを改善していかなければならない状況にある中で、何の競争もなく新しいトップが決まってしまった。私ならこうする、というマニフェストなり理念をサポーターに問うて、選挙という形で人事が決定していくことが、本来あるべき形だと思うのだけど、悲しいかなサポーターは蚊帳の外に置かれてしまっているね。

大きな親会社から来た人物が小さなクラブの実情を理解してリーグを良い方向に導いていけるか。人事の決まり方を見ていると、今のところ疑問を感じずにはいられないよ。(了)