佐々木麟太郎(C)共同通信社

写真拡大 (全2枚)

 マーリンズにドラフト8巡目指名されて契約したスタンフォード大の佐々木麟太郎(21)が日本時間24日、フロリダ州マイアミ市の本拠地ローンデポパークで入団会見に臨んだ。

【もっと読む】日本球団がここから狙う「ウルトラC」

 背番号「26」のユニホームを着用して会見場に姿を見せた佐々木は、約30人の日米報道陣を前に「目標は一日も早くメジャーの舞台で活躍すること。マーリンズが素晴らしい機会と育成プランを示してくれた」と、昨秋のドラフトで1位指名を受けたソフトバンクではなく、マ軍を選んだ理由を英語で説明した。

 現在の心境を聞かれると「わくわくが一番強い」とし、「(ユニホームに)袖を通せたことを誇りに思いながら、ここから頑張るだけ。武器は長打力。自分らしく臨んでいきたい」と意気込みを口にした。

 すでに日本人ルーキーへの球団内での期待は高まっている。一昨年までドジャースで一塁ベースコーチを務め、昨季からマ軍の指揮を執るクレイトン・マッカロー監督は「ポテンシャルの高さにとてもワクワクしている」と、今季の大学リーグ戦で16本塁打を放った長打力に期待を寄せた。

 佐々木は今後、新人選手によるキャンプ等を経て、早ければ8月中にも傘下のマイナー戦でデビュー。シーズン終了後には秋季リーグに参加して実戦を通してレベルアップに努める。

 今季のマ軍の年俸総額約124億円は30球団中29位。低予算で運営しているだけに、育成した選手を放出し、他球団の有望株を獲得してチーム編成を行ってきた。2017年にブルース・シャーマン氏がオーナーに就任してからは、マイナー組織の充実を図り、資金と人材を投入して独自の育成システムを構築。ドラフトで指名した多くの選手が有望株へと成長している。他球団の編成担当者からは常に注目を集めており、夏場やオフのトレード市場では主役的な存在である。

 大リーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏がこう言う。

「ジャパンマネー」という“余禄”も

「育成力がある上に、球団の方針もあってトレードに積極的なため、多くの球団のプロスカウトはシーズン中からマ軍のマイナー選手のチェックを欠かさない。ドラフト上位指名で入団した選手でも放出をいとわず、シャーマン・オーナーが就任した翌年からは1巡目を含む上位指名選手3人を入団から3年以内でトレードしています。主力選手とセットでの移籍や、プロスペクト同士による1対1のトレードなど状況はさまざまですが、19年のドラフト1位で23年にアスレチックスに移籍したブルデー外野手(28=現レッズ)のように、移籍先で3年連続2ケタ本塁打をマークするなど、結果を残している選手は少なくありません」

 15年ドラフト1位で入団したジョシュ・ネイラー(29=現マリナーズ)は、翌16年7月に複数人によるトレードでパドレスに移籍。19年にパ軍でメジャーデビューすると、その後は3球団を渡り歩き、昨季途中に加入したマリナーズでは主砲として24年ぶりの地区優勝に貢献した(打率.295、20本塁打、92打点)。

 そんなマーリンズに加わった以上、トレードとは決して無縁ではない。日本でも注目度の高い佐々木には、日本企業のスポンサーなど「ジャパンマネー」という“余禄”も期待できる。マ軍の育成システムによって打撃、守備ともレベルアップを果たせば、他球団の編成担当者から獲得を打診される可能性もある。

「佐々木が大学で対戦した投手のレベルは低いため、1年目はマイナーの投手に苦戦するかもしれません。しかし、適応能力が高いため、2年目以降は長距離砲としての片鱗を見せ始めるのではないか。マ軍のマイナーは他球団以上に競争が激しいものの、同じポジションや同世代の選手同士が切磋琢磨して相乗効果が望めるだけに、佐々木にとってもレベルアップを図れる環境が整っている」(前出の友成氏)

 佐々木は他球団でメジャー昇格のチャンスを掴むかもしれない。

  ◇  ◇  ◇

 佐々木はマーリンズ入りを決めたものの、プロ野球界との縁が切れたわけではない。しかも、各球団は“その時”を虎視眈々と狙っているという。いったいどういうことか。佐々木がプロ野球でプレーするにはどのような手続きを踏む必要があるのか。●関連記事 【もっと読む】日本球団がここから狙う「ウルトラC」 では、それらについて詳しく報じている。