バイデン米大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領(いずれもロイター=共同)

 【ワシントン共同】米主要メディアは17日、バイデン米大統領がウクライナに米国製の長射程兵器を使ったロシア領への攻撃を容認したと報じた。ウクライナが一部制圧したロシア西部クルスク州の戦線には北朝鮮兵が投入されており、バイデン氏は危機感を強め政策を大きく転換した。ウクライナ支援に消極的なトランプ次期大統領の就任が迫っていることも背景にある。ウクライナのゼレンスキー大統領は17日の声明で、使用する意思を表明した。

 ニューヨーク・タイムズ紙によると、米高官はウクライナが射程300キロの地対地ミサイル「ATACMS」でクルスク州のロシア軍や北朝鮮兵を狙う可能性があると説明。ゼレンスキー氏は声明で「攻撃は言葉ではしない。発表もない。ミサイル自体が雄弁に語るだろう」と強調した。

 バイデン氏はこれまでロシアを過度に刺激することを懸念し、ウクライナ側の再三の求めに応じてこなかった。米国は今回の政策転換で、北朝鮮に対して「重大な代償を払うことになる」とのメッセージを送り、これ以上の派兵をやめさせたい考えだ。