父・清原和博氏がいる観客席に向かって「ありがとう」と叫ぶ清原正吾(カメラ・竹松 明季)

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 慶応高(神奈川)の前監督で、四国IL香川の上田誠球団代表(67)が10日、獲得を目指す慶大・清原正吾一塁手(22)への仰天オファーを明かした。一般企業への就活と独立リーグでのプレーを両立するというもので、逸材の入団へ全力を注ぐ構えだ。

 野球継続か、一般就職か。この2つを両立する秘策があった。早慶戦を視察した上田代表は、清原にふさわしいプランを口にした。

 「就職活動しながらやればいいと思います。シーズンをやりながら、就活してもいい。東京へ(就活に)行くのなら、その日は試合に出なくていいので」

 香川と東京を機に応じて行き来し、野球と就職活動を並行して行う。全国の大学野球部員が就活とリーグ戦でのプレーを並行して頑張っていることから考えれば、決して難しいことではない。慶大野球部の前コーチとして下級生時代の清原を指導したことがあるだけに、柔軟な発想で迎える意向を示した。

 それもひとえに、無限の潜在能力に期待するからだ。清原を指導した大学1、2年時を振り返り「よく練習をやったんですよね。でも4番になるとは思わなかった。4年で(リーグ戦に)出られたらいいね、ぐらいで」。想像を超える伸びしろに、野球を辞めてしまうのはもったいないとの思いがある。

 「中学、高校と野球をやっていない中、この4年間でここまで来たんだから、もう一つ伸びるのではないかと」。そんな思いを手紙にしたため、10月24日のドラフト会議の翌日に堀井哲也監督(62)へ速達で送ったという。

 さらには「四国ILはNPB(選手)も出ているし、(リーグ内の)移動距離が短く、大事な体作り…ウェートトレの時間も十分取れる。150キロを投げる投手もゴロゴロいて、レベルが高い」と胸を張って推奨できる環境がある。

 「話を聞きたいとなったら、もちろん飛んでいきます」と熱意は本物。可能性がある限り、獲得へ全力を尽くす意向だ。

 ◆清原 正吾(きよはら・しょうご)2002年8月23日、東京都渋谷区生まれ。22歳。慶応幼稚舎(小学校)3年から「オール麻布」で野球を始め、慶応普通部(中学)でバレーボール部、慶応高でアメフト部。慶大で野球に再チャレンジ。2年秋にリーグ戦デビュー。4年春から4番を担う。今春のリーグ戦で一塁手のベストナイン。186センチ、90キロ。右投右打。