会見に臨むE・ヘルナンデス

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◆米大リーグ・地区シリーズ第5戦 ドジャース2―0パドレス(11日・米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が11日(日本時間12日)、2勝2敗のタイで迎えた地区シリーズ第5戦の敵地・パドレス戦に「1番・指名打者」でフル出場し、4打数無安打で快音は響かなかったが、先発した山本由伸投手(26)が5回2安打無失点の好投で勝利投手になるなど、チームが勝って地区シリーズの突破と、13日(同14日)に本拠地で第1戦を迎えるメッツとのリーグ優勝決定シリーズ進出を決めた。ドジャースが同シリーズに進むのは21年以来3年ぶりとなった。

 苦しい台所事情になったチームを救ったのは、スーパーサブとしてチームを支えた「キケ」の愛称で愛されるE・ヘルナンデスだ。今季守ったポジションは一塁、二塁、三塁、遊撃、左翼、中堅と捕手、右翼以外は全て守って投手としての登板もあった。第4戦でフリーマンとロハスが欠場するとスタメン出場して三塁と中堅を守り、第5戦でも中堅でスタメン出場。2回の1打席目にダルビッシュから左翼席へ値千金の先制ソロを放った。

 チームのムードメーカーとしても大活躍の33歳。山本の傷を癒やしたのもキケだった。地区シリーズ第1戦で3回5失点とKOされて、大谷が「けっこう落ち込んでいた」と心配するほどだった。だが、第5戦では5回2安打無失点の快投。試合後の会見で山本は「もちろんすぐには、簡単には切り替えられませんでしたけど、たくさん本当にチームメートの方がたくさん声をかけてくれましたし、サンディエゴに行った時もキケが誘ってくれて、カフェで2時間ぐらい話をしたり、本当にチームメートのお陰ですね」と明かした。

 試合前の会見では「俺たちは一丸となっているチームでお互いを信頼し合っている。成功しても、失敗しても一丸。もし俺がいい仕事ができなかったら、俺の次にいるやつがそれをやってくれるだろう。俺たちはロッカールームのひとりひとりのことをそういうふうに感じている」と話していたキケ。ポストシーズンの大舞台で陰ながら支えている。