「選手に向けて言ったわけじゃない」那須川天心が語った世間を騒がせた“大谷発言”の真意「あの炎上は別に良い炎上」

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会見後の取材の場で自身の発言について語った那須川。(C)CoCoKARAnext

 「テレビつければ大谷翔平じゃないですか。みんなどうなんですか、飽きちゃわないですかね? まぁでもそれだけすごいことしてるってことなのかなぁ、と思いますね」

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 これは10月4日に日本テレビ系の報道番組『NEWS ZERO』に出演した際に、ボクシングの那須川天心(帝拳)が発したコメントだ。スポーツコーナー内で、世界的な注目を集める大谷翔平(ドジャース)について意見を求められた26歳は、率直な想いを口にした。

 ただ、その言動が注目を集める那須川の「大谷発言」はSNSで拡散。賛否両論を呼び、世間を賑わせる事態となっていた。

 いったいなぜ那須川は、ともすれば“批判”とも取られかねない意見を地上波で発信したのか。10月14日に行われるジェルウィン・アシロ(フィリピン)との試合に向けた記者会見に臨んだ本人は、囲み取材の場で「あの発言は大谷選手に向けて言ったわけじゃないんで……。そこだけ切り取られて、回されちゃっている」とポツり。その上で「あの炎上は別に良い炎上だと思ってる」と強調した。

 果たして、那須川の言う“良い炎上”とは何か。彼は言葉を選びながら、こう続けている。

「あの発言で(試合を)見てくれる人は多くなったと思う。なので、しっかりと勝って、回収して、次の日のテレビのニュースにしてくださいって思います。やっぱやっている競技者として思うのは、自分のスポーツを誇れない奴はそのスポーツをやる必要がないということ。俺はボクシングが一番おもしろいと常に思ってる。それはどのスポーツに対しても思うんで」

 自分への関心、ひいてはボクシングへの関心を高めるための一環だった。「ボクシングが一番おもしろい」と熱弁を振るった那須川は、こうも続けている。

「人と人が対峙して殴り合うっていうのが、まずおもしろいじゃないですか。それが競技になっているということが凄いこと。例えば、道具を使ってやることもおもしろいんですけど、いかに自分が強くても格闘技は負ける時がある。だから、何を用意したら絶対に勝てるというのがない。他の競技は一回のミスが許されることが多いかと思うんですけど、格闘技は一瞬のミスが命取りになる。僕はそういう意味で格闘技に勝るものはないと思います」

 キックボクシングからの電撃転向から約1年。今は「ボクシングにめっちゃハマってる」と言う。那須川は先述の大谷発言など話題に事欠かないが、全ては人生を懸けて挑んできた格闘技への愛ゆえだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]