今週の米SOFR急上昇、算出方法の特殊性が原因か=ドイツ銀

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Davide Barbuscia

[ニューヨーク 18日 ロイター] - ドイツ銀行は17日、銀行間取引の指標となる米国の担保付き翌日物資金調達金利(SOFR)が今週急上昇したことについて、流動性低下の兆候ではなく、算出方法の特殊性が原因である可能性があると指摘した。

ニューヨーク連銀が17日発表したデータによると、米財務省証券を担保とするSOFRは16日に5.38%まで急上昇し、7月末以来の高水準を記録。17日も同水準で推移した。

SOFRの急上昇は米国の資金調達市場での現金不足の兆候である可能性がある。だがドイツ銀は、SOFRの構成データを分析した結果、短期資金調達コストの急騰で連邦準備理事会(FRB)がレポ市場に流動性注入を迫られた2019年のような圧力はほとんど見られなかったと指摘。急上昇は、SOFRの算出方法の特殊性によるものだった可能性があるとした。

ドイツ銀のアナリストは、今回のSOFR上昇は、より広範な資金調達市場の圧力にはつながらず、準備状況や量的引き締めに影響を与えない可能性が高いとの見方を示した。

SOFRはニューヨーク連銀によって、3つのレポ市場における出来高加重中央値として算出される。この計算では、フィクスト・インカム・クリアリング・コーポレーションのDVP(相対)レポサービスを通じて清算される「スペシャル・レポ」取引の低い金利などが除外される。

ドイツ銀のアナリストは、除外される金利次第でSOFR算出に大きな影響を与える可能性があると指摘した。