国民・玉木代表 高橋茉莉さん訃報に「SNSで発信することの是非、非常に悩んだ」「多くの意見、批判をいただいた」
国民民主党の玉木雄一郎代表(55)が10日、国会内での定例会見で、4月28日投開票の衆院東京15区補選で同党の公認候補として内定し、その後取り消された高橋茉莉さんの訃報に触れ「こういう報道に接して、大変驚いていますし、心からお悔やみを申し上げたい」と述べた。
玉木氏は「彼女について、最終的には公認取り消しということになりましたけれども、その後もSNSなどで活動を見たりして『元気にやってるな』というような写真なども上がっていたので少し安心していたんですが…」と声のトーンを落とした。
9日に、高橋さんの死を報道で知ったという。玉木氏はXで当初「メディアにお願いしたい。ぜひ『WHO自殺報道ガイドライン』を踏まえた対応をしてほしい。一般人の自殺をことさら報じる意義がどれだけあるのか。申し訳程度に相談窓口の連絡先を付けても免責にはならないと思う。社会的影響の大きさを自覚した節度ある報道をお願いしたい」と投稿したが取り消し、その後哀悼の意を表するポストを投稿した。
玉木氏は「当然、悼む気持ちは誰よりもあると思ってますけれども、私がSNSで発信することの是非については自分自身、非常に悩みました。当初はWHOのガイドラインを報道機関の方に守っていただきたいということを名前も挙げず、一般論として申し上げた。自殺を誘発しないのか、という様々な要素を総合的に勘案した」と釈明した。
「私も何十万も登録者数がいる。フォロワーの方には様々な事情を抱えた方がいらっしゃる。最初に出された記事は、自殺の方法まで書かれていた。直接の名前や事案を出して私自身が発信するということを避けるという判断をしましたが、かつて公認をして、行動を一時期ともにした者に対して、お悔やみの言葉のひと言もないのかという多くのご意見やご批判をいただいた」と、投稿を取り消した理由を説明した。
玉木氏は「今なおこの対応は正しかったのか、悩んでいます。命というものを扱うことの重要性をどのように対応すればいいのか。SNS時代において、適切な答えが正直見い出せない中にいるのが実態であります」と胸中を明かす。
「ご本人もまだ非常に若くて、いろんなことが過去あったとして、次に向かって頑張る人にチャンスを与えるというのが国民民主党の姿勢。今なお期待もしていたので、大変残念に思いますし、お悔やみも申し上げたいと思いますが、政治の世界を離れた方に対して、どのように申し上げるかということについては私自身、答えを見い出せない。報道のあり方については、皆さんにもお考えいただきたい」とした。
高橋さんは9月4日、東京都千代田区の自宅マンション敷地内で倒れているのが見つかり、搬送先で死亡が確認された。現場の状況から自殺とみられる。
★「日本いのちの電話」相談窓口★
厚生労働省は悩みを抱えている人に対して相談窓口の利用を呼びかけている。
◆0570・783・556(午前10・00~午後10・00)
◆0120・783・556(毎日:午後4・00~9・00、毎月10日:午前8・00~翌日午前8・00)
(よろず~ニュース・杉田 康人)