「猫」の病気&けが、どう防ぐ? 与えちゃダメなものは? 対処法を動物看護師に聞く
猫を飼っていると、猫が突然、病気になったり、けがを負ったりする可能性があります。猫の病気やけがをできるだけ防ぐには、どのように対処したらよいのでしょうか。飼い主としての正しい行動について、動物介護士のfujimaruさんに教えていただきました。
猫が口呼吸をしている場合は熱中症の可能性あり
Q.猫が発症した病気が、人間にうつることはあるのでしょうか。
fujimaruさん「犬などの他の哺乳類にも当てはまるのですが、人間だけが感染する病気もあれば、猫を媒介として人間に感染する病気もあります。そうした病気は『人獣共通感染症』や『ズーノーシス』と呼ばれています。
ウイルス性のもの、細菌性のもの、カビが原因のものなど、病気によって要因はさまざまですが、基本的には野生動物と接触させないことや、住んでいる環境をきれいに維持しておくこと、ノミやダニが付かないようにすることなどが有効な対策です」
Q.猫も人間と同じように暑さや寒さを感じますか。
fujimaruさん「はい、猫も人間や他の動物と同じように暑さ、寒さを感じます。特に猫は口呼吸をしないため、犬のように口を開け、ハァハァと肩で息をしている状態の場合は、相当な暑さを感じています。この場合は熱中症になっている可能性があるため、すぐに動物病院を受診し、体を冷やしてあげましょう。
逆に、猫が寒さを感じると体を丸めたり、活動量が減ったりすることがあります。また、トイレに行くことも減り、ぼうこう炎や尿石症の原因にもなるため、エアコンなどで暖かい環境をつくってあげることが重要です」
Q.自宅での注意点について、教えてください。
fujimaruさん「犬などの他の動物にも同じことが言えますが、基本的には人間用の食べ物や嗜好(しこう)品などはペットに与えないことが重要です。うっかり口に入れてしまったということもあると思いますが、猫の行動範囲内に人間用の食べ物などを置いておかないといった対策が重要になりますね。
また、食べ物ではありませんが、猫を飼っている人に注意していただきたいものとして、ユリなどの植物が挙げられます。猫にとって、ユリの花や葉、茎などは毒性があるものなので、猫が口に入れてしまうと嘔吐(おうと)や腎機能障害などを起こすといわれています。治療が遅れると死に至る可能性があるため、こうした危険なものが家の中にないかチェックしておくと安心ですね」
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飼い主がペットに関する正しい知識や正しい飼育方法を知ることで、トラブルを防ぐことができるようになります。愛猫家の人は、自宅での過ごし方や飼い方を見直してみるとよいでしょう。