ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務めるラジオ番組「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、8月15日の放送では毎日新聞論説委員の小倉孝保が、7月に始まった自身の連載『「難病の子どもたちの夢を叶えたい」大野寿子さん 余命1カ月を生きる』について解説した。

長野智子「まずは大野寿子さん、そしてメイク・ア・ウィッシュについて教えていただけますか?」

小倉孝保「メイク・ア・ウィッシュは1980年にアメリカで生まれたボランティア団体です。日本にできたのは1992年。そこで最初からスタッフに加わって、1998年から16年間、事務局長を務めていたのが大野寿子さん。団体が何をしているかというと小児がん、筋萎縮性側索硬化症など、治すのが難しい、命にかかわる病気の子供たちに『夢はなんですか』『やりたいことは?』と。たとえば『ディズニーランド行ってみたい』『自分の描いた絵を本にしたい』とか。じつはどんなに苦しい病気になっても子供たちは夢を見ている」

鈴木敏夫(文化放送解説委員)「はい」

小倉「その夢を叶えよう、と、夢のお手伝いをする団体がメイク・ア・ウィッシュ。その日本支部がメイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン。大野さんは子供たちの夢のお手伝いをずっと続けていて。3000人ぐらい直接、間接的に子供の夢の実現に取り組まれた人なんです」

長野「たとえばどんな夢を叶えられたんですか?」

小倉「多いのはディズニーランド行きたい、ハワイでイルカと泳いでみたい、などあるんですが。大野さんが何を伝えたかったか、大野さんが子供たちと付き合う中で何を感じたか、というと。どんな子供も例外なしに、夢を見て。夢を見た子供たちというのは、それを実現していく過程で、どんなにしんどい思いをしていても、夢が近づくことで笑顔になっていく。(大野さんによれば)子供たちは自分が、客観的に見たら『こんなにしんどい環境にある』という子でも、他人の幸せを求めている、というんです」

長野「ああ……!」

小倉「たとえばお母さん。自分がしんどいからといってお母さんを悲しませたくない。隣のベッドのつらい子供たちを助けてあげたいとか。それと周りに感謝する気持ちがあるんですよ。ひとつ大野さんから聞いて週刊誌の連載でも紹介したんですけど、東大阪市の嘉朗くんという男の子。10代で亡くなるんですけど、4歳のときから原発性免疫不全症や、間質性肺炎、再発性多発軟骨炎とか。病気じゃないときが少なかったぐらい病気の連続だった。でも非常に明るい子で、お母さんのこと心配する、ありがとうと言いたい……。周りのことを世話してくれる人に感謝の気持ちを伝えたい、と、詩を詠んでいるんです」

放送ではその詩も紹介した。大野寿子の活動についても詳しく解説している。