どこからどこまでが「1時間弱」?(画像はイメージ)

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 知っていると思っていた言葉の意味がまったく違うと、思わぬところで赤っ恥をかいてしまう。ネット上では「1時間弱・強」の意味について困惑する声があがっていた。一体どういうことなのか、詳しく見ていこう。

●若者の「1時間弱」は1時間とちょっと?



 おさらいだが、「1時間弱」は50分や55分といった、1時間未満を表現する言葉。逆に「1時間強」という言葉は、1時間5分のように、1時間を少しだけ過ぎる場合に使われる。ところが最近、「弱・強」の意味を勘違いしている若者が増えているようだ。

 10代から20代の若者からは、「1時間弱って『1時間+数分』かと思ってたんだけど!」「1時間弱は70分とか75分くらいのことだとずっと思ってた」とショックを受ける声が。では1時間強についてはどうかというと、「1時間半から2時間の間じゃないの?」「1時間30分とか40分と認識してたんだけど間違っていたのか」という声があがっている。

 実は言葉の意味そのものの勘違いが原因で、仕事の際にすれ違いが起きることも。例えば、上司が部下に書類の作成を指示。部下は「1時間弱でできます」と答えたため、上司が1時間10分前に書類を取りに行くと、部下はまだ書類を作っている。「1時間弱」を1時間10分くらいだと解釈している部下は、「まだ1時間も経ってないよね?」と思ってしまうのだ。

 意外と弱・強ですれ違いが起きたという人は多いようで、ネット上では「評価の『A+』『A-』と同じ考え方をするといいよ」「1時間より『弱い』、1時間より『強い』と考えるといいかも」などのアドバイスがあがっていた。

 そもそも誤解が多い原因として、「地震の震度があるからややこしくなっている」という声があるが、実は震度も「1時間弱・強」と同じ考え方。「震度5弱」は「震度4.5以上、5.0未満」のことだ。「1時間弱」が1時間に満たないことは知っていても、震度の「強・弱」については勘違いしていた、という人も多い様子。

 自分の思う「弱・強」の解釈が、相手の認識と一致しているとは限らない。仕事など、すれ違いがあっては困る会話をする時は、「なるべく曖昧な表現は使わない」「互いの認識が一致しているか確認する」などの配慮が必要になりそうだ。(フリーライター・井原亘)

■Profile

井原亘

元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている