初戦迫る柔道がまさかの窮地に! 問題多発で会場が再施工 関係者も嘆きの指摘「残念ながら準備できていない」【パリ五輪】

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急遽、改修工事が決まった柔道会場のシャン・ド・マルス・アリーナ。(C)Getty Images

 本選の開催を目前に控え、パリ五輪の柔道会場で異例の緊急工事が行なわれた。

 現地時間7月27日に女子48キロ級と男子60キロ級の試合からスタートする柔道競技。しかし、本番を目前にした24日から25日にかけて会場となるシャン・ド・マルス・アリーナでイレギュラーな工事が実施されたという。地元紙『Le Parisien』は、原因は「床の密度が一定でなく、敷き詰められた畳が跳ねすぎるためだ」と報道。さらに控室から試合場までの距離が長く、10分間隔での試合実施が不可能という新たな課題も伝えている。

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 最終的な視察を実施し、即座に改修作業を命じた国際柔道連盟(IJF)のマリウス・ビゼール会長は、『Le Parisien』などの取材に対して憤怒。当初に開催地となる予定だった、“柔道の殿堂”ともいわれるベルシー・アリーナを使用できなかったことをふまえて「全くもって理解ができない」と言及。そしてシャン・ド・マルス・アリーナの状態について「4年もあったんだ。しかし、残念ながら舞台は準備できていないし、私たちはその事実に苦しんでいる」と嘆いている。

 また、フランス柔道連盟のステファン・ノミス会長も会場の準備不足に不満を吐露。至るところに砂ぼこりが残っていること指摘し、「あちこちに埃が目立った。これをどう払い落とすというのだ。なんとしても埃が畳の上に落ちないようにしなければいけない。柔道着を白く保つためだけでなく、何よりも選手たちが滑らないようにしなければならない」と苦言。「もうオリンピック基準を満たしていないと判断されてしまった」と続けた。

「世界柔道の基準にフランス柔道がもっと近づけるために、よりハードに、より効率よく、そして何よりも協力し合うようにと、関係者全員に少しプレッシャーをかけてきた。部門間の協力が本当に不足していた」

 タイムリミットは残りわずかだが、果たして、運営側は山積する課題をどう克服するのか。多くの実力者を輩出してきたフランス柔道界の威信が問われることになりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]