ソニー、録画用BDの生産を段階的に終了へ。「当面の間は販売を継続」

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世界初となる4層構造を実現したBD-Rメディア・ソニー「BNR4VAPJ4」

光ディスクの生産に関する一部報道を受け、ソニーは1日、AV Watch編集部の取材に回答。宮城県多賀城市(グループ傘下2拠点)で行なってきた、録画用ブルーレイディスクを含む「記録型光ディスクメディア」の開発および生産を段階的に終了することを明らかにした。4層の記録層を持つ光ディスクの量産化など、世界初・独自の技術も持つが「海外への移転も検討していない」という。

今回生産終了が決まった記録型光ディスクメディアは、コンシューマー向けの録画ディスク「BD-RE(25GB)」「BD-RE DL(50GB)」「BD-RE XL(100GB)」「BD-R XL(128GB)」の4種類と、映像制作向けのプロフェッショナルディスク、およびデータストレージ向けのオプティカル・ディスク・アーカイブ。

生産終了の具体的な時期は不明だが、「B2B向けについてはつくり置きを行ない販売を継続。コンシューマー向けについては具体的な終了時期は量販店などの流通パートナーと議論して今後決定していくが、当面の間は販売を継続していく」という。

光ディスク事業の見直しについて、ソニーグループ広報は、「コールドストレージ市場の成長が想定に届かず、ストレージメディア事業全体の業績は赤字が継続し、収益性の改善に向けて事業の体制を見直す必要があると判断した」と説明。

「①記録型光ディスクメディア事業における開発・生産の段階的な終了と人員規模の縮小、②テープメディア事業における人員規模の縮小、③2025年4月から一社体制に移行し、ビジネス規模にあわせた効率的なオペレーションに変更する、という3つの施策を経て、市場環境に合わせた適性な規模での事業を継続し、黒字化を目指す」と回答した。

ソニーの光ディスクメディアは、1986年発売の12インチ、8インチ追記型光ディスクメディア(Write Once)を皮切りに、小型化、高容量化、高密度化の商品を開発・販売してきた。

1998年には青紫色半導体レーザーの光ディスクメディアへの応用を他社に先駆けて実証。2003年に民生用ブルーレイディスクとして商品化に成功。翌2004年には放送局のファイルベースのワークフローに対応したプロフェッショナルディスクを、2013年には放送局の膨大な過去のコンテンツや公官庁や学校などの大容量データを保存する媒体としてオプティカルディスク・アーカイブを商品化している。