6月27日、殺人容疑の疑いで逮捕された宝島真奈美容疑者(31)。一家の長女であり、死亡した幸子さん(56)の連れ子だった

写真拡大

 今年4月、栃木県那須町の河川敷で、飲食業を営む宝島龍太郎さん(55)と妻の幸子さん(56)の焼損遺体が見つかった事件。警視庁は実行犯や、黒幕ら計6人を次々と逮捕してきた。黒幕とされる宝島さん夫妻の長女の内縁の夫、関根誠端容疑者(32)は夫妻と仲違いしており、店を継げなくなったと考え、総額1500万円ほどの報酬をもとに2人の殺害を指示していたことが判明している。

【写真】内縁の夫である関根誠端容疑者(32)と出会う前の宝島真奈美容疑者(31)。整ったロングヘアに細身の高身長という姿は現在と変わらない

 そして6月27日、警視庁捜査1課は殺人容疑で夫妻の長女、真奈美容疑者(31)を逮捕した。

「警察は黒幕の関根容疑者を逮捕した後、真奈美容疑者が被害者の遺族なのか、それとも両親の殺人事件の共犯者なのか、慎重に捜査を進めていました。スマートフォンなどの膨大な履歴を解析するなどした結果、殺害に関与していた容疑が固まったとして逮捕しました」(大手紙社会部記者)

 宝島さん夫妻は、4月15〜16日深夜、東京都品川区五反田の空き家の1階ガレージで、元俳優・若山耀人容疑者、韓国籍の姜光紀容疑者ら実行犯によって、首を絞められたことによる窒息などで死亡していた。これに現場にはいなかった真奈美容疑者が何らかの形で関与していた疑いが強いと認定したのだ。

「詳細は不明ですが、真奈美容疑者は関根容疑者とともに犯行を指示したか、少なくとも関根容疑者が指示していることを知っていたとみられます」(同記者)

 両親殺害に関わった真奈美容疑者について、宝島さん夫妻の知人男性が明かす。

「幸子さんは再婚して、龍太郎さんと一緒になっており、真奈美容疑者は幸子さんの連れ子です。夫妻の間では当初は、真奈美容疑者と夫の関根容疑者に店を継がせるという方針だったんだと思いますが、特に幸子さんと関根容疑者が仲違いをしていた。真奈美容疑者も両親ではなく、関根側の人間だったんですね……」

 SNS上の真奈美容疑者の写真を見ると、現在は離婚しているがかつての家族と仲睦まじそうにしている様子が分かる。どことなく母親の幸子さんにも似ているように見える。真奈美容疑者の逮捕された際の肩書きは「会社役員」だった。両親の会社の役員だ。

変更された会社登記簿

 宝島さんが経営していた上野の複数の飲食店を束ねるサンエイ商事の登記を見ると、長女の真奈美容疑者は長年同社の取締役を務めていたが、今年1月11日に辞任している。それと同時に次女が取締役に就任していた。しかし、その次女も何らかの理由で2月末で退任している。

 今回の事件で宝島さん夫妻が死亡した後、5月15日には真奈美容疑者が代表取締役に就任していた。グループ会社も同様に、4月16日に夫妻が死亡したことが登記され、真奈美容疑者が代表権を持っていた。動機のひとつに、会社の運営をめぐるトラブルがあったのだろうか。
「バレないと思っていたのでしょうかね、結果的に、会社を継ぐことには成功したということなのでしょうが、両親を殺害してまでして会社を継ぐとは信じられません」(前出の男性)

 真奈美容疑者は世田谷区内に関根容疑者と住んでいた。近隣の高齢男性は「前は犬を2匹連れて歩いているのをよく見ましたが最近はねえ……」と振り返る。

 事件を経て、外に出る機会を減らしていたのかと思いきや、時折、周辺で目撃されていたとの話も。近隣住民の女性は「真奈美さんは、事件の後も普通に生活していていました。ここ最近も、室内から音がして住んでいる様子は確認していました」と語る。逮捕された6月27日朝には周囲で警察官も目撃されていた。

 真奈美容疑者が両親を殺害してまで手に入れた会社。1カ月程度の社長の椅子の座り心地はどのようなものだったのだろうか。