Intelがアメリカ・オハイオ州に建設中の2つの半導体製造施設「オハイオ・ワン・キャンパス」に向けて、2024年6月16日から23日にかけて合計約91万6000ポンド(約415トン)ものマシンを輸送する計画がオハイオ州運輸局(ODOT)から発表されました。

Intel is trucking a 916,000-pound 'Super Load' across Ohio to its new fab, spawning road closures over nine days | Tom's Hardware

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Intel 'super load' to move through central Ohio starting Sunday

https://www.dispatch.com/story/news/local/2024/06/11/intel-super-load-to-move-through-central-ohio-starting-sunday/74057074007/

Intelは280億ドル(約4兆3900億円)を投じてオハイオ・ワン・キャンパスの建設を進めており、半導体製造用の装置を随時搬入しています。新たに、Intelは半導体の製造に必要な「コールドボックス」と呼ばれる自律型エアプロセッサーの輸送を実施することを発表しました。

コールドボックスの輸送に関わるトラックは全4台で、積載される荷物の重量は合計91万6000ポンドにも上ります。コールドボックスを覆う1つのコンテナの大きさは23フィート×20フィート×280フィート(約7メートル×約6メートル×約85メートル)と超大型で、輸送時は速度を時速16kmに制限して慎重に運ばれるそうです。



そのため、コールドボックスの輸送にはODOTの監督の下、綿密な輸送計画の立案が求められます。当初コールドボックスの輸送は2024年2月に予定されていましたが、計画作業量があまりに膨大であったことから延期されていました。

ODOTの報道官であるマット・ブルーニング氏は「コールドボックスを輸送するトラックには多くの可動部分があり、単純にA地点からB地点に移動するようあものではありません。巨大な荷物の輸送には多くの計画や調整、分析が求められます」と述べています。実際にODOTは、重量のある荷物が運ばれても支障のない橋や道路の選択など、数カ月前からルートの選定を行ってきたとのこと。また、運送に支障をきたす可能性のある送電線は地下に移動させるなどの対処も行われたそうです。

こうした緻密な計画の基でコールドボックスを積載した4台のトラックは、2024年6月16日にオハイオ州マンチェスターを出発し、途中ウェストポーツマスやルーカスビル、ウェーバリーなどに立ち寄り、2024年6月23日にオハイオ・ワン・キャンパスに到着する予定です。



ODOTは地域の一般ドライバーに対し「今回の輸送は地域の交通に重大な影響を及ぼすため、荷物が輸送されている際にはそのルートを避けるようにしてください」と忠告。また、見物人による交通渋滞の悪化を危惧したODOTは「一般市民と荷物を運ぶ作業員の安全が最優先です。見物人は輸送トラックや作業員の進路から離れ、道路沿いの歩道には立ち入らないようお願いします。指示があった場合、ただちに道路から離れてください」との勧告を出しています。