Microsoftは2024年3月に、Copilotに搭載されたAIチャット機能「Copilot GPT」をカスタマイズできるサービス「GPT Builder」の提供を、Copilot Proユーザー向けに開始しました。しかし、リリースからわずか3カ月後の6月10日に、Microsoftが個人向けのGPT Builderの提供を打ち切ることを発表しました。

GPT Builder is being retired - Microsoft Support

https://support.microsoft.com/en-us/topic/gpt-builder-is-being-retired-d1de6c3a-4c7a-4bcd-98ff-2f65f3d23cd1

Microsoft makes Copilot Pro less appealing, ditches ChatGPT's GPT Builder

https://www.windowslatest.com/2024/06/10/microsoft-makes-copilot-pro-less-appealing-ditches-chatgpts-gpt-builder/

MicrosoftのGPT Builderは、有料サブスクリプションサービスであるCopilot Proに加入した人向けに提供されている機能で、ユーザーは独自にカスタマイズされたCopilot GPTを作成したり、共有したりできます。具体的なユースケースとしては、買い物用のCopilot GPTに料理のプランを送って買い物リストを作成してもらう、といった使い方が想定されています。

Microsoft関連情報を扱うニュースサイト・Windows Latestは2024年6月10日に、MicrosoftがCopilot ProユーザーにGPT Builder廃止を告知するメールを送っていることを報じました。

告知の中でMicrosoftは、「7月10日以降、Copilot ProでCopilot GPTを作成できなくなり、作成したCopilot GPTにもアクセスできなくなります」と述べました。



Copilot GPTを作成していたユーザーは、カスタム命令を保存することができますが、保存しない場合は7月10日に削除されることになります。また、命令を保存してもカスタムしたCopilot GPTにはアクセスできません。

ただし、MicrosoftはGPT Builderを完全に廃止したわけではなく、エンタープライズユーザーには引き続きGPT Builderを提供します。

一般のCopilot Proユーザーに対するGPT Builderの提供を廃止し、企業向けのサポートに注力する理由についてMicrosoftは、「私たちは、コンシューマー向けのCopilotの拡張性に関する戦略を評価する中で、コア製品のエクスペリエンスを優先しつつ、開発者への機会の提供に引き続きコミットしていくこととしました。これに基づき、GPTの焦点を商用およびエンタープライズ・シナリオに移し、コンシューマー向けのGPTの取り組みを停止します」と説明しています。



Microsoftが言及した「コア製品」とは、WordやExcelなどのオフィススイートとCopilotの統合を中心としたCopilot Proの追加機能のことを指していると思われます。

Copilot Proの会員は、7月10日以降もMicrosoft 365 アプリでCopilotを利用したり、AIでの画像生成や編集を行ったりできるとのことですが、「AIのカスタマイズ機能がいきなり廃止されることで、この有料サブスクリプションの魅力は低下することになります」と、Windows Latestはコメントしました。