○AIの展開

今回、同社のさまざまなソリューションにおけるAIの導入が発表された。

SAP SuccessFactorsでは、AIが生成するレポートが人事担当者に責任を持って調達された給与決定に必要なインサイトを提供し、SAP Sales Cloudでは、販売を促進する可能性が最も高い営業担当者と製品の組み合わせを予測する機能を提供する。

SAP Business Technology Platformの生成AIハブには、Amazon Web Services(AWS)、Meta、Mistral AIのLLM(大規模言語モデル)が追加された。SAP AI Coreインフラストラクチャのこの機能により、開発者は、SAPアプリケーション向けの生成AIユースケースを簡単に構築できるという。

○生成AIコパイロット「Joule」の進展

SAPの生成AIコパイロット「Joule(ジュール)」は、複数のシステムからデータを迅速に整理し文脈化することで、自動化を促進し意思決定を改善する。Jouleは昨秋にSAP SuccessFactorsに導入され、現在はSAP S/4HANA Cloud、SAP Build、SAP Integration Suiteなどにも組み込まれている。年末までに、SAP Ariba、SAP Analytics Cloudにも拡張される予定。

さらに、Microsoft Copilotとの統合により、Jouleの機能は拡張され、より深いインサイトを提供する予定としている。これにより、ユーザーはSAPおよびMicrosoft 365のビジネスアプリケーションとのやり取りから情報にシームレスにアクセスできる統一された体験を得られる。

○生成AIに関わるパートナーシップ

同社は生成AIが企業レベルで実現できることの可能性を広げるため、最先端のテクノロジーリーダーとのパートナーシップを強化している。今回、AWSおよびMicrosoftとの協業拡大に加え、Google Cloud、Meta、Mistral AI、NVIDIAとのパートナーシップが発表された。

SAPとGoogle Cloudはパートナーシップを拡大し、JouleとSAP IIntegrated Business Planning for Supply Chainを、Google CloudのGeminiモデルAIアシスタントおよびGoogle Cloud Cortex Frameworkのデータ基盤と統合する。