ツインズ戦に登板したエンゼルスのザック・クリストファク【写真:ロイター】

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29日のツインズ戦でメジャーデビュー

 米大リーグ、エンゼルスのザック・クリストファク投手は28日(日本時間29日)のツインズ戦でメジャーデビューを果たした。ここにたどり着くまでには、壮絶な過去を経験している。父が母を殺害してしまうという壮絶な事件を乗り越えたと、米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」が報道。26歳の本人も「私がやりたいのはクリストファクの名前を書き換えること」と決意を口にしている。

 クリストファクは2019年のドラフトでエンゼルスの14巡目指名を受けプロ入り。プロ6年目を迎える右腕だ。今季は3Aのソルトレークで6試合に登板したところでメジャー初昇格。この日の登板でデビューを飾った。8回から5番手で2イニングを投げ被安打3本、2失点とメジャーの洗礼を浴びたものの、失策が絡み自責点は0だった。

「ジ・アスレチック」は昨秋、クリストファクの壮絶な人生を「彼の父親が彼の母親を殺した。今、エンゼルスの有望株は光を見つけている」という記事で伝えた。

 2012年12月22日、当時15歳だったクリストファクは練習を終え、友達と米ジョージア州アトランタ近郊の自宅に帰ってきた。そこで見たのは家を取り囲む多数の警察官だった。後にわかることだが、母が父に銃で殺害されていたのだ。

 クリストファクの母ドナさんと父のジョンは、19年の結婚生活の末に2011年8月に離婚。ジョンのドナさんに対するストーカー行為が始まったという。ドナさんは「息子たち、とくに末っ子だったザックを守るために出来る限りのことをした」とされている。

 加重ストーカーの罪で、7か月を刑務所で過ごしたジョンが釈放され、2か月も経過しないうちに悲劇が起きたという。クリストファクは同メディアの取材に「私は自分自身の物語を書かないといけない。人生の何よりも、私がやりたいのはクリストファクの名前を書き換えることだと思う」と決意を語っている。

(THE ANSWER編集部)