米国のマネージドアカウントはコミッション型の手数料形式ではなく、残高に連動したフィー型手数料契約であることが一般的です。しかし、このマネージドアカウントでも手数料の引き下げやパフォーマンスの向上が近年大きく求められているのです。そのため、構造的にコストを抑えることが出来るETFが注目を集めており、足元ではコストを抑えながらも優れたパフォーマンスを求める投資家が増加している現状もあり、アクティブETFの需要が高まっています。アバンティスのアクティブETFもこうした業界のトレンドの追い風を受け、急速に残高を拡大させてきました。

朝倉:なるほど、現代の米国における投資一任サービスの環境に非常に適した運用手法として残高が増加してきたのですね。アクティブETFについては、アクティブ運用というだけあり、運用戦略もより重要になってくると思います。アバンティスならではの特徴はどこにあるのでしょうか。

エドアルド氏:「アクティブETF」に求める投資家のニーズは何かを考えた際に、インデックス運用のような低コスト・高分散と、アクティブ運用のようなアウトパフォーマンスへの期待の両方であると考えました。当たり前のことですが、インデックス運用ではその連動対象指数に対するアウトパフォーマンスを諦める必要があるからです。より高いパフォーマンスへの期待を実現するために、何十年にもおよぶマーケットデータや学術研究を基にしたアプローチによって、相対的にバリュエーションが低いかつ収益性の高い銘柄に私たちは注目しています。

 そして、(1)低コスト、(2)高分散、(3)高パフォーマンスの可能性、を投資家に提供することを目指しています。(1)低コストに関しては、ETFが投資信託よりも構造的にコストを抑えることが可能という点があります。加えて、銘柄分析や配分においてシステマティックなアプローチを採用し、データとテクノロジーを駆使することでポートフォリオ・マネージャーの効率性を高めています。そうすることで、戦略ごとに専任アナリストを採用する必要が無くなり、低コストを実現する要因の1つとなっています。そしてACIのミドル・バックオフィス機能を利用して規模の効率性を高めていることも、コスト抑制の実現につながっています。

 (2)高分散に関しては、アバンティスのアクティブETFでは数千銘柄でポートフォリオを構築していることが特徴です。場合によっては指数よりも構成銘柄数が多くなることもあります。これもシステマティックに銘柄分析・配分をしているからこそ実現できます。この高分散によって、マンパワーによるアナリストがカバーしきれないような小型株や新興国地域の銘柄への投資機会を容易に提供することができます。足元のマーケット環境を踏まえると、アバンティスのアクティブETFへの潜在的なニーズはより高まっていると言えるでしょう。

 最後に、(3)高パフォーマンスの可能性についてです。インデックス運用に求められる低コストや高分散を実現する中で、アクティブ運用で求められるアウトパフォーマンスも当然目標としています。競合には通常のアクティブ運用ファンドも含まれるのです。2019年9月に初めてローンチした5本のアクティブETFは、設定来で3年以上の実績トラックレコードがありますが、2023年12月末時点での3年および設定来のパフォーマンスでは、5本全てが各ベンチマークのパフォーマンスを上回っています。もちろん競合戦略に対しても相対的に優位なパフォーマンスを実現しており、その結果、アバンティスが投資家に支持され、設立以来急速に成長してきたことに表れています。