日本で食べた「和牛が大好きなんだ」 有給休暇中に侍Jと対戦した“チェコ消防士投手”の奮投
「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024 日本 vs 欧州代表」
野球の「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024 日本 vs 欧州代表」が6日、京セラドーム大阪で行われ、日本が5-0で勝利した。欧州代表の2番手として登板したマルティン・シュナイダー投手（チェコ）は日本滞在中に誕生日を迎え、大好物の和牛で祝福された。普段の仕事は消防士。有給休暇を取得して大阪のマウンドに立った。
思い出深い記念日となった。ろうそく代わりの小さな花火がパチパチと弾けるプレート。「Happy Birthday おめでとー」と日本語も交えたメッセージが描かれ、そこに載っていたのはケーキではなく分厚いステーキ。仲間に祝福されたシュナイダーは、満面の笑みを浮かべた。
4日に日本で38歳になった。昨年も同時期にワールド・ベースボール・クラシック（WBC）のチェコ代表として来日。「前回は飛行機の中だったけど、今回はすでに到着していたから素晴らしいディナーをステーキハウスで食べられた。パチパチするものを添えて、誕生日を祝福してくれたんだ」。6日の試合前に聞くと、インスタグラムに投稿した動画を嬉しそうに振り返った。
「とても楽しかった。ステーキは最高だった。和牛が大好きなんだ。ずっと食べられるよ」。約1年ぶりの来日で、さっそく神戸牛を満喫した。「日本に戻って来られてとても興奮している。特に観客が日本だけじゃなくて私たちのことも応援してくれるのが大好きなんだ」。東京ドームで受けた声援は今も忘れられない。
この日は2番手として2回から登板。2回は3者凡退、3回も先頭を抑え、「3番・左翼」の近藤健介外野手（ソフトバンク）と対峙したところで、アクシデントに見舞われた。カウント2-2から5球目のスライダーをファウルにされた後、突然マウンド上で崩れ落ちた。ベンチから首脳陣が飛び出し、すぐに交代した。
試合後、欧州代表のマルコ・マッツイエーリ監督は、負傷は右肩の脱臼とみられるとした上で「どこか切れているのではないかと心配していたので、そういう意味では安堵している。すぐに回復するのではと期待している」。最悪の事態は回避したようで、初回に2点を失ってからの火消し劇を「素晴らしい投球をしてくれた」と称えた。
シュナイダーはマウンドを降りる際、スタンドの観客から大きな拍手を送られた。WBCでは消防士をしながら野球選手をしていることが話題となった。今回も「有給休暇を取って来ているんだ。職場の人はこのことについては詳しくは知らないけど……。応援してくれているから、仕事場で見てくれると思う」と明かしていた。
（THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro-Muku）
