痛恨敗退の日本代表、森保監督がアジアカップに招集するべきだった5人
AFCアジアカップ2023において準々決勝で敗退した日本代表。
大会前に破竹の連勝を続けており、優勝候補としての期待は高かった。だが、本大会では5試合全てで失点するなど不安定さを露呈。
ここでは、森保一監督が今大会に招集してもよかった選手たちを取り上げてみる。
田中碧
所属:フォルトゥナ・デュッセルドルフ(ドイツ)
かつて代表レギュラーであった田中碧だが、鎌田大地の台頭、ヨーロッパでのケガや不調もあって序列は下がっていた。
それでも2022年ワールドカップや昨年9月のドイツ戦、元日のタイ戦でゴールを決めるなど、勝負強さや得点力にはむしろ磨きをかけていた。
ただ今冬での移籍を希望していたことが影響してかボランチの最後の枠には佐野海舟が抜擢され、田中はまさかの選外に。
彼の不在によって今大会は4-3-3システムではなく4-2-3-1が基本になり、結果論からいえばチームの戦いに制限ができてしまった。
橋岡大樹
所属クラブ:ルートン・タウン(イングランド)
日本代表の右サイドバックとして定位置を確保しつつあったのは菅原由勢だが今大会は拙さが目に付いた。
主将の遠藤航から守備対応について苦言を呈される場面があり、実際、グループステージ3節のインドネシア戦からは毎熊晟矢が起用された。
毎熊の活躍は今大会のサプライズでありプラス材料だった。ただ彼はもともとFWだった選手で、イラクやイランが行使してきたパワープレーの対応には橋岡に分があっただろう。
この冬イングランドのルートンへ移籍した橋岡は身体能力に非常に優れており、2人とは異なる“高さのある守備的なオプション”になっていたはずだ。
鎌田大地
所属クラブ:ラツィオ(イタリア)
昨夏ラツィオに加入したもののマウリツィオ・サッリ監督のもとで出番を失い、アジアカップのメンバーから外れた鎌田大地。
不調とはいえ2022年ワールドカップのエース格だっただけに驚きの落選だったが、結果的には彼の不在が大きく響いたと言わざるを得ない。
田中碧の不在で4-2-3-1を基本にするなら、鎌田はトップ下としてうってつけの存在だったはず。南野拓実、堂安律、久保建英らがトップ下を務めたが、鎌田がいれば…と感じるシーンも散見された。
この冬に移籍することが落選の理由かとも思われたが、結局チームに残留。ラツィオでも代表でもプレーできていないのは本人が一番悔しいだろうが…。
シュミット・ダニエル
所属クラブ:ヘント(ベルギー)
今大会は21歳の鈴木彩艶がキーパーとして起用されたが、経験のなさは明らかだった。
確かに鈴木のポテンシャルと将来性は目を見張るものがある。しかし浦和レッズでは西川周作の牙城を崩せず、3年間の出場は数えるほど。昨夏移籍したシント=トロイデンでは守護神を務めているが、これも実力で勝ち取ったというよりはクラブ方針によるものに近い。
もともとの正キーパーだったシュミット・ダニエルは移籍を前提にしてポジションを譲った形だが、移籍が土壇場で破断に。その影響で代表からフェードアウトしている。
それでも4シーズンにわたってベルギーで活躍してきた彼の経験値があれば、代表により安定感をもたらせたはずだ。
大迫勇也
所属クラブ:ヴィッセル神戸(日本)
2023年のJ1でヴィッセル神戸を初優勝に導いたストライカーは、得点王とMVPを受賞するなど大暴れ。33歳になったが、国内最強FWであることをまざまざと見せつけた。
2022年2月以降、代表ではプレーしておらず、そのことがコンディション面でプラスになっているのは間違いない。ただ、FWとしての単純な能力で考えた場合には間違いなく招集に値した。
日本は準々決勝でイランに1-2と逆転負けしたが、前回大会でそのイラン相手に2ゴールを決めて主役となったのがまさにこの大迫だった。
上田綺世は大会4ゴールと気を吐いたものの、敗退したイラン戦では活躍できず。大迫なら得意のポストプレーで苦しいチームを救えていたかもしれない。
今後の日本代表は、3月にワールドカップ予選で北朝鮮との2連戦を戦う。