中日のドラフト1位 いきなりトミー・ジョン手術の不運 重要となる現場とスカウトの連帯感
草加の離脱は立浪監督にとっても痛手だが、今はリハビリが順調に進むことを祈りたい(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
2月1日はプロ野球にとっての「元日」です。しかし、その日を待たずして無念の離脱となりました。
中日のドラフト1位、亜細亜大出身の右腕・草加勝投手です。右肘の靱帯再建術(トミー・ジョン手術)を受け、早くても復帰は来年となることが予想されます。
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スポーツ紙のアマチュア野球担当記者は言います。
「強豪の亜細亜大で3年秋から頭角を現して、4年次にはエースとしてフル稼働しました。責任感の強い若者で、どんな状況でも歯を食いしばって、意気に感じてマウンドに向かう姿が印象に残ります。この結果には本人が一番ショックを受けていることでしょう。幸運なことに中日は現状、多くの先発ローテ候補を有している。まずは完全に治して、リハビリに励んでほしいですよね」
ドラ1がいきなり負傷で離脱となると、チーム内でスカウト部へと厳しい視線が注がれるのは、プロ野球の世界の常です。しかし前述の記者は、それは酷な話だと言います。
「昨秋の亜細亜大は、開幕から3カード連続で勝ち点なしという絶体絶命でした。エースの草加投手はそんな中でもしっかりと先発マウンドに立ち、直球も140キロ台の中盤から後半を計測していた。十分なスタミナを見せつけていたからこそ、外れとはいえ中日とロッテの2球団による抽選となり、中日が交渉権を確定させたわけです。調査不足という指摘はあたらないでしょう。不運としか言いようがありません」
プロ野球の世界では、現場のコーチとスカウトが一枚岩となって情報を共有している球団もあれば、お互いが『対立』しているチームもあります。前述の記者は続けます。
「強いチームの特徴は、育成の現場にいるコーチと、スカウトの連携が取れていること。料理に例えるなら、『仕入れ』のスカウトと『料理人』のコーチが同じ方向を向いていれば、自ずと美味しいものができる。反対に『なんで取って来たんだ』『教え方が悪い』とお互いが責任をなすりつけているようなチームは、なかなか浮上できません」
すでに球団は手術の成功を発表しており、今後はリハビリが順調に進むことを祈るばかりです。トミージョン手術を経て、球威が増すなどパワーアップして現場に戻った投手は数多くいます。草加投手もそんな存在となることを、願わずにはいられません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]