カード基準厳格化のプレミアリーグ、退場者数が早くも昨季の総数を超える

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 2023−24シーズンのプレミアリーグの退場者数は早くも昨シーズンの総数を超えたようだ。

 昨シーズンのプレミアリーグでは、監督同士の衝突や選手が審判に激しく抗議する場面、ファンたちによる差別的な言動が散見されたことを受け、今シーズンの開幕前に審判員に対する振る舞いを改善するよう同リーグが各チームに要求。これに伴い、判定基準も一部変更となった。

 その影響で試合のプレイ時間を増やすために遅延行為の厳罰化や、選手が審判に対してイエローカードを求めるジェスチャーをしたり、複数人で審判を囲んだりした場合の異議に対する取り締まりが強化されるなど、カードの基準が厳格化されている。

 これにより、今シーズンのプレミアリーグではイエローカードとレッドカードの枚数が大幅に増加。3日に行われたプレミアリーグ第14節チェルシーとブライトンの一戦では、チェルシーのイングランド代表MFコナー・ギャラガーが前半のうちに2枚のイエローカードが提示されて退場処分となっていた。なお、試合はチェルシーが3−2で勝利している。

 データサイト『OPTA』によると、ギャラガーが退場となったことで今シーズンのプレミアリーグでは140試合終了時点での退場者数が計「31」人に到達。この結果、昨シーズン全体(380試合)で30人という記録を超え、シーズンの4割にも満たない時点で早くも昨季の退場者数を上回る事態になっていることが明らかとなった。

 チェルシーのマウリシオ・ポチェッティーノ監督は試合後、イギリスメディア『BBC』でギャラガーの退場について「退場ではなかったと思う。もう一度見てみる必要がある。私たちは審判のことを理解する必要があるが、彼らも私たちを理解する必要がある」と判定への不満を口にしており、カードの枚数が多いことは今シーズン何度も誤審が発生して謝罪する事態になっている審判たちにも問題があることを示唆している。