東京ドーム

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巨人が新たな船出を切る。2年連続Bクラスの4位となり、原辰徳監督が今季限りで退任を発表。阿部慎之助ヘッド兼バッテリーコーチが新監督に就任することが決まった。

「野球理論に精通している」

来季に向けてコーチングスタッフの組閣が水面下で進む中、注目されるのは桑田真澄ファーム総監督の動向だ。21年に投手チーフコーチ補佐に就任。15年ぶりに古巣に復帰すると、昨年は投手チーフコーチに昇格。今季はファーム総監督を務めた。

指導能力が高いことで知られ、投手陣の信頼が厚い。スポーツ紙記者は、「大勢、山崎伊織など故障に不安を抱える投手を慎重に調整させながら、長所をうまく伸ばしていた。野球理論に精通している一方で、情熱的なメッセージで選手を奮い立たせる。個々の投手の特徴を知り尽くしているし、投手陣再建に適任の指導者だと思います」と称賛する。

巨人の課題は投手力だ。チーム防御率3.39はリーグ5位。18年ぶりのリーグ優勝を飾った阪神のリーグトップの防御率2.66と比べると大きな差がある。特に救援陣は大きく見劣りしていた。守護神の大勢は右上肢のコンディション不良で7月から2カ月半離脱。27試合登板で3勝0敗14セーブ1ホールド、防御率4.50と昨年のルーキーイヤーから成績が悪化した。セットアッパーも固定できなかった。菊地大稀、船迫大雅、田中千晴ら若手が台頭したが、選手層の薄さは否めなかった。救援陣の再建がポイントを握る中、1、2軍の投手事情を精通している桑田ファーム総監督はどの役割を託されるか。(中町顕吾)