近年のMacBook ProとMacBook Airはセキュリティチップ「T2」を搭載し、Apple以外が修理することができないようになっています。ドイツで修理店を営むシュテファン・シュタインズ氏が、このT2チップによる修理防止のロックを突破するツールを開発したことを明らかにしています。

DIY Tinkerer Invents MacBook Tool That Breaks Apple’s Repair Locks

https://www.404media.co/diy-tinkerer-invents-tool-that-breaks-apples-macbook-repair-locks/



We beat Apple at their own game - let the unauthorized calibrations BEGIN! - YouTube

MacBook ProとMacBook Airには「ディスプレイ角度センサー」が搭載されていて、ディスプレイ部分の開閉状態を検出し、閉じられていると画面とファンをオフにしてスリープ状態に入ります。しかし、ディスプレイ角度センサーが壊れると開閉状態が検出されなくなるため、画面やファンがオフにならなくなる可能性があり、一般的にはMacBookの寿命が縮まることになります。

このため、センサーが故障すると交換が必要になりますが、AppleはT2チップまたはM1・M2チップを用いてセンサーを特定のデバイス向けに調整して使えるようにしているため、修理業者ができるのは、壊れたセンサーの腐食した部分を削って動作することを祈るのみ。それで動かない場合は、Apple Storeに案内するしかありませんでした。

シュタインズ氏の開発した「Nerd.Tool.1」を使うと、Appleによる調整なしでも、ディスプレイ角度センサーを交換することが可能になります。センサー自体は数ドル(数百円)程度のものなので、身近な業者に依頼して、安価に修理してもらうことができるようになるというわけです。

「Nerd.Tool.1」の使い方を実演するシュタインズ氏。



シュタインズ氏とともにツールの開発を行ったルイス・ロスマン氏は「我々はAppleの鍵を壊したのです」と述べ「(この仕様を)技術者に公開しないと決めたのがAppleの誰かは知りませんが、『くたばれ、我々の勝ちだ』」と、中指を立てました。



シュタインズ氏らは、Appleの「修理DRM」を回避する新たな修復ツール「Nerd.Tool.2」に取り組んでいるとのことです。