日立産機システムは4月24日、過酷な環境下でも稼働する産業用無線ルータ「CPTrans-GLW」と、移動機器の位置情報をcm単位で補正する「ICHIDAS-NET」を発表した。5月より販売開始する。

CPTrans-GLW/TLW

「CPTrans-GLW」は、水、塵、振動、温度などの過酷な環境下でも稼働する産業用無線ルータ。同時に発売するGNSS位置補正情報サービス「ICHIDAS-NET」と連携することで、様々な環境下で移動する建設機械や農業機械などの位置情報をcm単位で測定、自動運転や常時監視が可能になる。

IP67相当の防塵・防水性能を有し、自動車部品振動規格(JIS D1601)や使用温度-20℃〜+60℃に対応。

有線LAN、無線LAN、Serial通信、CANなどの多彩なインターフェースを装備し、顧客の要求に応じたアプリケーションを実装可能。管理サーバやクラウド連携を通じてファームウェアや設定をOTAにより更新でき、環境を問わず常時監視が可能。

また、2周波GNSS測位モジュールおよびNtripクライアントを搭載。GNSS位置補正情報サービス「ICHIDAS-NET」(VRS方式)や、回線サービス「CP-NET」に接続することで高精度な測位が可能となり、各種位置補正情報サービス(Ntrip)を利用することでもcm単位での測位が可能となる。

移動体車両への搭載例

車載用ネットワークのCANに対応するとともに、移動体車両向けにGNSS測位機能も搭載。農業機械の自動運転や建設機械の稼働・作業情報をECUなどから取得、位置情報と併せてクラウドにMQTTで送信、各種クラウドサービスからの監視を可能にするなど多様なニーズに対応する。

主な仕様は、本体サイズが135.0×142.5×39.2mm(突起部含まず)。通信方式・

機器接続方式はWAN側がLTE(FDD/TDD)、WCDMA、LAN側は無線LAN(2.4GHz/5GHz)IEEE 802.11a/b/g/n/ac、Ethernet×1、RS232C×1、RS485(オプション)、CAN(オプション)、キャリア認定取得はNTTドコモ/KDDI。

GNSS測位方式はNTRIPクライアントで、GLWが2周波RTK方式(数cm精度)、TLW が単独測位方式(数m精度)。アンテナはLTE(内部アンテナ/外部アンテナ、切り替え対応)、GNSS(外部アンテナ)、無線LAN(内部アンテナ)。動作電圧はDC 7 〜 32V、動作環境は動作温度が-20〜60℃、保存温度が-30〜70℃、動作湿度は20〜90%RH。防塵防水はIP67(JIS C0920)相当。