やりを取り除く手術をした病院で(画像は『Collector & DM, Balangir 2022年12月18日付Twitter「Sh. Sadanand Meher」』のスクリーンショット)

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インドの高校で17日、14歳の男子生徒の首に他の生徒が投げたやり投げのやりが突き刺さる事故が発生した。やりは少年の首の付け根あたりを貫通したが、奇跡的に急所を外れて助かった。信じ難いほど幸運な少年のニュースを『New York Post』などが伝えた。

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インド、オリッサ州のアガルプール・ハイスクール(Agalpur High School)で17日午前10時頃、やり投げの練習をしていた生徒が投げたやりが、9年生(日本の中学3年生)のサダナンド・メヘルさん(Sadanand Meher、14)の首に突き刺さるという事故が発生した。

事故の詳細については明らかになっていないが、サダナンドさんが救急車から降り、病院の入り口へと向かう様子はカメラが捉えて拡散、長いやりが刺さりながらもしっかりと歩く様子に驚きの声があがった。

動画では、やりの穂先がサダナンドさんの首付け根あたりを左側から右側に突き抜けているのが見て取れる。やりは全長2メートル弱で柄の部分は竹製、穂先は金属製で30センチはあると思われ、放心状態のサダナンドさんの周りには大人数人が付いてサポートしている。

搬送されたビーマ・ボイ・メディカル大学&病院(Bhima Bhoi Medical College & Hospital)の医師らは約3時間をかけて慎重に検査を行い、1時間かけてやりを取り除いており、手術は無事成功したという。

外科医長のプラバート・ラス氏(Prabhat Rath)は、サダナンドさんがかなりの強運の持ち主であることを強調し、当時の状況について次のように述べた。

「もし穂先があと数センチずれていたら、少年の気管を突き刺していたことでしょう。しかも主要な血管は全て無傷で本当に信じ難いことです。」

「やりは顎の皮膚にぶら下がるように刺さっており、我々は細心の注意を払いながら皮膚と筋層を切開しやりを取り除くことに成功しました。」

「少年の怪我がこれだけで済んだのはまさに奇跡と言えるでしょう!」

なお地元メディアは、サダナンドさんが翌日には危険な状態を脱し、後遺症もないことを報じており、医師らはサダナンドさんの忍耐力と強い精神を称えている。校庭には当時、生徒たちを指導する教師がいなかったとみられており、事故は当局が現在も捜査中という。

ちなみにインドでは、2019年に3歳男児がビル3階から落下し、180センチの鉄棒が体に斜めに貫通したが、急所を外れ一命を取り留めていた。また今年3月には、ベッドから転げ落ちた男性の頭に鎌が突き刺さる事故が起きていたが、奇跡的に助かったという。

画像は『Collector & DM, Balangir 2022年12月18日付Twitter「Sh. Sadanand Meher」』『Citizen/NAGRIK/Deshwasi/Pranav 2022年12月18日付Twitter「#SadanandMeher of Agalpur under @CollectorBgr」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)