(株)スリーアイ(資本金5000万円、神奈川県横浜市鶴見区豊岡町3-17、代表入江一行氏)は、12月16日に債務整理を古川亮弁護士(東京都千代田区九段北4-2-11、平野総合法律事務所、電話03-3262-3584)に一任した。今後、自己破産を申請する予定。

 当社は、1990年(平成2年)9月に設立。処方箋による医薬品を扱う調剤薬局「スリーアイ薬局」「アイ調剤薬局」計7店舗を経営するほか、薬局や飲食店など店舗内装の修繕・改修工事を手がけていた。

 調剤薬局部門は東京、神奈川、千葉で計7店舗を経営、地域住民のかかりつけ薬局として利便性の高いサービスの提供や医療環境の改善に取り組み、IT技術を活用した薬に関する丁寧な説明および指導は患者から高い評価を得ていた。工事部門でも代表の人脈を活かして一定の受注を確保していた。近隣医療機関の院外処方で安定した収入を確保しつつ、工事部門における積極的な営業によって受注件数が大幅に増加した2019年12月期の年売上高は約26億3600万円を計上していた。

 しかし、調剤薬局部門は大手薬局チェーンとの競争激化に歯止めがかからないなかで、新型コロナウイルス感染拡大による各医療施設への受診控えの影響を受け、処方箋数が伸び悩んでいた。また、工事部門においても価格競争による利幅の低下や、コロナ禍における飲食店の工事需要縮小、原材料価格高騰など厳しい局面に立たされていた。こうしたなか、2021年12月期の年売上高は約21億5600万円にまで減少、借入金負担も重くなるなかで資金繰りに窮し、今回の事態となった。

 負債は、2021年12月期時点で約12億9700万円だが、変動している可能性がある。