ウェルノートウェブサイトより

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家族向けSNS「wellnote(ウェルノート)」のサービス終了が突然発表され、利用者に衝撃が走っている。終了後は子どもの写真や動画など思い出のデータはすべて消失する。不十分なバックアップ手段や猶予期間の短さに不満が噴出した。

運営会社は批判を受けて謝罪し、競合他社であるMIXI(ミクシィ)の協力で「一括ダウンロード機能」を提供すると発表した。

SNSでは悲鳴

ウェルノートは、「家族でつくるファミリーマガジン」をコンセプトに2011年7月にベータ版がリリースされた。祖父母、夫婦で写真やメッセージのやりとりができる"クローズドSNS"で、子どもの成長をコミュニケーションしながら共有できる。基本利用は無料で、フォトブック、フォトカレンダー作成は有料となる。

しかし、2022年11月30日までにサービス終了の発表があった。データは終了日をもってすべて削除される。猶予期間はおよそ1か月で、一括ダウンロード機能はないため1件ずつ必要なデータを保存しなければならない、とされた。

ヘビーユーザーであるほど写真や動画は膨大になり、それに付随するコメント、スタンプ、身長や体重など成長記録も大切な思い出だけに、データ移行の難易度は高いようだ。長年の利用者を中心に、アプリストアやSNSでは悲鳴が相次いでいる。

運営するウェルスタイル(東京都渋谷区)は12月7日、「多大なるご迷惑をおかけしておりまして、誠に申し訳ございません」と謝罪し、一括ダウンロード機能を提供すると発表した。ウェルノートと同じ家族SNS「家族アルバム みてね」を運営するMIXIから支援の申し出があったためだという。

終了日も延期

それに伴い、サービス終了は23年4月11日に延期した。新規投稿などは12月27日にできなくなる。

一括ダウンロードは1月5日からブラウザ版で受け付ける。対象は「家族グループに属しているすべての家族の方が投稿した、写真・動画・コメント」。写真と動画のEXIF(メタデータ)は撮影日時を含む。

投稿内のスタンプや子どもスタンプ、成長記録機能は技術的な問題から対象外になったという。ダウンロードした写真や動画は、「みてね」の有料会員向けサービスを利用すると一括で移行できる。ウェルノートは「株式会社MIXI様におかれまして、この度はデータ一括ダウンロードの実現において、多大なるご支援をいただけること、心より御礼申し上げます」とコメントしている。