14億円を誤送金された女性が豪邸を購入するも裁判所から売却を命じられる
世界最大級の仮想通貨取引所であるCrypto.comの関連会社が顧客の1人に100ドル(約1万4000円)を送金するところ、誤って1047万4143ドル(約14億5000万円)を送金していたことが明らかになりました。女性は得たお金でホームシネマとジム付きの豪邸を購入していましたが、裁判所から売却を命じられました。
Foris GFS Australia Pty Ltd v Manivel [2022] VSC 482 (26 August 2022)
Crypto.com Sues User After Refunding $10M Instead of $100
https://blockworks.co/crypto-com-sues-user-after-refunding-10m-instead-of-100/
Crypto.comの関連会社であるForis GFS Australia(Foris)が2021年5月に顧客への返金対応にあたったところ、支払額を記入する場所に顧客が誤って口座番号を記入していたことに気づかず、本来の額である100ドルの代わりに1047万4143ドルを振り込んでしまったとのこと。Forisがこの誤りに気づいたのは、7カ月後の2021年12月であったとされています。
Forisはオーストラリア連邦銀行にさまざまな問い合わせを行ったあと、2022年2月に訴訟を起こしました。訴えによると、誤送金を受けた被告は7名の人物とお金を分け合っており、そのうちの1人である実姉の名義で不動産を購入していたとのこと。この不動産はオーストラリアのメルボルン・クレイギーバーンにある物件で、購入価格は135万ドル(約1億9000万円)でした。その後被告は物件の登記上の所有者となりましたが、被告本人はマレーシアに居住しています。
被告がマレーシアに居住していること、弁護士を通じた意志確認に食い違いが生じたこと、物件を購入したのが姉であったことなどからさまざまな問題が生じたものの、原告が求めた「物件の購入価格135万ドルを支払うこと」「物件を原告に売却すること」などが裁判所に認められ、上記の命令が被告に下されました。
被告は弁護士を通じて意思を伝えているものの、裁判所には出廷していません。また、残りのお金がどう扱われるかについては、今回の裁判では言及されていません。